思考法 Feed

2005年11月 3日 (木)

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!マインドマップ

447876099309lzzzzzzz トニー・ブザン(神田昌典訳)「ザ・マインドマップ」、ダイヤモンド社(2005)

お奨め度:★★★★1/2

最近、注目されているマインドマップだが、提唱者のトニー・プザンの原典がついに翻訳出版される。訳が、神田昌典氏というのも心憎い。最後に神田氏による解説もある。

この本はマインドマップというツールの唯一の公式書であり、出版ライセンスだけではなく、マインドマップのディストリビューターライセンスのようなものが必要らしく、それを今回、ダイヤモンド社が取得し、書籍の出版にこぎつけたらしい。

日本では、トニー・ブザンの本としては、放射思考によるノート術というのが最初だと思う。例のドラゴン桜で話題になった方法を紹介した本である。

487771052309lzzzzzzz トニー・ブザン(田中孝顕訳)「人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考」、きこ書房(2000)

この本はアマゾンでは極めて評判がよい。

ところがこの後、ブザンのコミュニケーションの本が出ている。

487771135x01lzzzzzzz トニー・ブザン(田中孝顕訳)「コミュニケーションに奇跡を起こす マインドマップ活用術」、きこ書房(2005)

なのだが、この本はあまり、評判がよくない。書かれていることはともかくとして、書いてあることとマインドマップとの関係が分からないという意見が多い。

しかし、今回、出版された、原典を読めば、この本で言っていることもちゃんとマインドマップの思想を組んでいることが分かる。

マインドマップはツールだと思っている人が多い。もちろん、ツールなのだが、どのような思想で設計されたツールなのかを知るには、この原典を読むのが一番である。

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2005年10月29日 (土)

思考と行動のエッセンス

31608250 井上明人「30歳からの進化論―仕事の仕方を成長させる29の知的ノウハウ」、文芸社(2005)

著者の井上明人さんがキャリアの中で培われてきた仕事のノウハウを1冊の本としてまとめられている。面白いのは、思考ノウハウと、行動ノウハウにきちんと分けてあること。こういう本を読んでコンピテンシーを高める上で、この区別をきちんと認識して読んでいくことは極めて大切で、それを表示してあるのはすばらしい。

内容は、キャリア(ビジネスマン人生)、問題解決力、コミュニケーション力、メンタル力という4つの視点で整理されており、数はそんなに多くないが、凝縮されたものが多い。

例えば、問題解決力の思考ノウハウの最初に

鳥のように上空から大きく全体を眺めて方向性を絞り、対象を見つけたらそこへ一気にズームアップして具体策の仕上げを行う

というのがある。大局観であるが、大局観をこのような凝縮された言葉で表現できるというのは並大抵のことではない。このような凝縮したノウハウが29個(行動7、思考22)、並んで、事例も提示しながら、解説されている。

1冊読めば、コンピテンシーは間違いなくあがるだろう。

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2005年10月 2日 (日)

行動の原因を外部環境に求める

408720307701 杉山尚子「行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由」、集英社新書(2005)

お奨め度:★★★★

著者の杉山さんは、数年前に、同じ書名の専門書を出版している。

杉山尚子他「行動分析学入門」、産業図書(1998)

この本はすばらしい本なのだが、ちょっと難しいのと、高価なので、あまり人に紹介しなかった。ずっと、この本の新書がでないかなと思っていたが、8年経って、やっと出版された。これも「行動」への関心が高まっていることの証だろう。

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部下が何か失敗をしたときに、「あいつはやる気がない」ということを言ってみても、評価にはなるが、問題の解決にはならない。心理的な問題に関しては、この種の評価をするだけで終わっていくケースが多い。

しかし、これは本来、その人のもつ可能性の芽を摘んでいることになるかもしれないし、プロジェクトのような有期的な業務環境ではそのような評価を100回するより、その人をちょっとでもよいから変える方がはるかに意味がある。

そこで、注目されるのが「行動分析学」という手法である。この概念は、「行動随伴性」という概念によって、行動の原因を人間の内面(気持ち)ではなく、外的環境に求めようというものである。詳しい話は、こちらを参考にしてほしい。

プロジェクトマネージャーの方には、ぜひ、読んでほしい。また、マネジメントのツールではなく、セルフマネジメントのツールとしても使える。特に、習慣づけにおいては、この行動随伴性というのは重要な役割を果たしている。このあたりに興味を持つ方もぜひ、読んでいただきたい1冊である。

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2005年9月11日 (日)

図解主義!

4757303165アンドリュー・サター「図解主義!」、インデックス・コミュニケーションズ(2005)

お奨め度:★★★★

ユダヤ人の頭のなか」 でいちやく有名になった、アンドリュー・サターが図解思考法に焦点を当てて書いた本。

ユダヤ人の頭のなか」 は衝撃的ではあったが、実践性という意味で物足らなかった。この本は、図解という一つの分野に焦点が絞られているが、前作でもやもやとした部分で、こういうことだったのかというのは結構ある。その意味で貴重な本。

もちろん、前作を読まなくてもすばらしい1冊。今まで、図解475730241X本を読んで単なる表現技法だと思っている人は、ぜひ、この本を読んでみてほしい。図解により、ビジネスやシステムのアーキテクチャーが変わる可能性を示唆している。八百屋と大根の例など、それを分かりやすく教えてくれる。

日本人の書いた図解とはかなり視点が違うので、そのような目で見ながら読んでみるのもよいだろう。そのような読み方をする場合には、「ユダヤ人の頭のなか」と一緒に読んでみることがお奨め。「日本的」の打破に苦労している人、違った世界が見られるかもしれない。

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2005年8月28日 (日)

木を見る西洋人 森を見る東洋人

4478910189リチャード・ニスベット(村本由紀子訳)「木を見る西洋人 森を見る東洋人思考の違いはいかにして生まれるか」、ダイヤモンド社(2004)

お奨め度:★★★★1/2

まず、この本の原題は ”The Geography of thought”である。このタイトルも素晴らしいが、訳者の村本さんのつけられたタイトルはなんと素晴らしいのだろうと感動ものだ。

日本の比喩に「木を見て、森を見ず」という比喩がある。広辞苑によると

 細かな点に注意をし過ぎて大きく全体をつかまない

こととある。たぶん、10年くらい前までは、日本人の非常に重要な価値観であったように思うが、今は、あまり言われることがなくなった。

この本では、思考の普遍性に対するパラダイムの議論を、東洋と西洋という切り口からさまざまな視点で行っている。結論としては、普遍性がないということになるが、そこで取り上げられている事象は自分たちの立ち位置を確認するために非常に貴重な視点である。

好川は、第3章にある、自己に関する考察が興味深かったが、その人が興味を持っている事項が一通りを入っているのではないかと思う。

ここでは、米国人は

・ひとはそれぞれ、他者と違う個性を持っている。さらにひとは肝心な点で他者と違っていたいと思っている

・ひとは、だいたいにおいて自分の思うとおりに行動している。そして、自分の選択やこのみによって結果が決まると気分がよい

・・・

というのに対して、東洋では「出るくいは打たれる」というように、成功を集団目標とする傾向があるといった指摘から始まり、実にいろいろなことが指摘されている。

関連記事:森を見るか、木を見るか

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2005年8月 7日 (日)

何もしないことに全力をつくす

4569639372河合隼雄、谷川浩司「無為の力―マイナスがプラスに変わる考え方」、PHP研究所(2004)

お奨め度:★★★1/2

リーダーのアクティブ・ノンアクションの解消方法は、ただ、動き回ることではない。動かないことがアクションになることも多い。たとえば、問題に直面してしまったメンバーに対しては動かない方がよい場合がある。このような場合、「何もしないことに全力を尽くす」ことが求められる。

この本は、臨床心理学の第一人者の河合先生と将棋の谷川名人が何もしないことの効果を「無為の力」としてさまざまな視点から議論した大変興味深い本である。特に、創造的な活動をする準備としての何もしないことの重要性をといている。

本書では、

・ものを忘れることで豊かになる
・嫉妬心には可能性がある
・思考をやめたときに名案が浮かぶ
・「ある」だけで十分ではないか
・ものがないほうが想像力は豊かになる

といった視点から議論する。キャリアだけではなく、人生のためにも読んでほしいなと思う1冊だ。 

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2005年7月22日 (金)

ドラゴン桜

4063289095 三田紀房「ドラゴン桜 (1)」、講談社モーニングKC(2003)

お奨め度:★★★★

このコミックスは「倒産した高校を債権処理として、東大に合格者を多数出す進学校に変える」というプロジェクトを描いたものである。フィクションではあるが、計画から、コントロール、ヒューマンマネジメントまで、プロジェクトマネジメントのさまざまな要素が含まれており、プロジェクトマネジメントのよい参考書になる。特に、学びたいことは、プロジェクトをやるというのがどういうことか、つまり、覚悟と、目的達成への強い意欲、すべてを目的思考で動かすことである。

また、学習すること、教育することとは何かについて、相当突っ込んで議論が行われている。この点でも学ぶことがある。コーチングという言葉までが出てくる。

さらに面白いのは、この再建プロジェクト自体が、生徒にとって「プロジェクト学習」の機会になっていることである。このプロジェクトへの参加を通じて、人生で必要ないろいろなことを学ぶことになる。

なかなか、よくできたストーリーである。マンガだからといって侮ることなかれ!

2005年6月 1日 (水)

システム・シンキング入門

4532110416西村行功「システム・シンキング入門」、日本経済新聞社(2005)

お奨め度:★★★

システムシンキング(システム思考)を軽く勉強したい人にはお奨め。

なかなか、よい事例が結構な数あるのだが、残念ながら、基本理論の説明が大雑把なので、この本だけでは理解できないのではないかと思われる。

とりあえず、雰囲気を学ぶには手軽でよい。

2005年5月 7日 (土)

図解・創造的仕事の技術

4797327537 忰田進一「図解・創造的仕事の技術」、ソフトバンクパブリッシング(2004)

お奨め度:★★★1/2

企画、提案、問題解決などの必要な発想を、非常に分かりやすく書いてある。図がよい。こういう図を描きたいな。

内容は基本的なことから、結構、高度なノウハウだと思われることまでが並んでいる。しかし、ばらつき感はない。確かに、レベルは違っていても同時に抑えておくべきことが並んでいる。

たとえば、アイディアを出す仕事のヒント(3章)

 思い込みは自分の首をしめる

 考えてから動け

 時間配分

 質問は技術、質問はつくるもの

 要約で頭が切り替わる

 全体と部分を同時にみる

といった感じ。この本のヘソは

 知恵の生産(2章)

か!?

2005年5月 1日 (日)

システム・シンキング

バージニア・アンダーソン、ローレン・ジョンソン「4820740156システム・シンキング~問題解決と意思決定を図解で行う論理的思考技術」、日本能率協会マネジメントセンター(2001)

お奨め度:★★★★

システム思考の教科書。

システム思考を具体的な例を示しながら、ツールごとに解説している。非常に分かりやすい本である。

 時系列変化グラフ

 因果ループ図

 アーキタイプ

この本のよいのは、システムとは何かという解説が非常に明確である点。この解説により、システム思考がなぜ必要か、なぜ、発案されたかが明確に分かるようになっている。

なお、この本だけでも、十分に例はあるが、実際にシステム思考を使えるようになるためには、本書と姉妹編のトレーニングブックを使って、実際に手を動かしてみるのがお奨め。

4820740946 ダニエル・キム、バージニア・アンダーソン「システム・シンキングトレーニングブック」、日本能率協会マネジメントセンター(2002)

 

 

 

 

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