「獺祭」というイノベーション
桜井 博志「逆境経営―――山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法」、ダイヤモンド社(2014)
お奨め度:★★★★
獺祭で知られる旭酒造の社長・桜井 博志氏の書いた潰れかけの酒造から、獺祭で純米本醸造の国内シェアの50%を占め、40億近い売り上げを作るまでの経営の物語。全体としてはサクセスストーリーなのだが、いろいろな失敗をし、学びながら、現在に至る的なストーリーはなかなか学ぶ点が多い。
桜井 博志「逆境経営―――山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法」、ダイヤモンド社(2014)
お奨め度:★★★★
獺祭で知られる旭酒造の社長・桜井 博志氏の書いた潰れかけの酒造から、獺祭で純米本醸造の国内シェアの50%を占め、40億近い売り上げを作るまでの経営の物語。全体としてはサクセスストーリーなのだが、いろいろな失敗をし、学びながら、現在に至る的なストーリーはなかなか学ぶ点が多い。
ゲアリー・ケラー、ジェイ・パパザン(門田 美鈴訳)「ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果」、SBクリエイティブ(2014)
お奨め度:★★★★★+α
バランスを取らずに、一点集中を行うことのご利益と、一点集中の方法について述べた一冊。
個人の仕事の方法にも、チーム(組織)としての仕事のやり方にも通用する方法であり、読んでいる限り、バックボーンとなるロジックがあり、「私はこういうやり方でうまく行っています」式の啓蒙書とは一味違う良書。
ジョン・クプレナス、マシュー・フレデリック(美谷広海訳)「エンジニアに学ぶ101のアイデア」、 フィルムアート社(2013)
お奨め度:★★★★★
いろいろな分野のエンジニアリングの101の方法論を通じて、エンジニアのものの見方と発想を学ぶ。モノ作りにもイノベーションにも効く常識、理論、実践は、エンジニアの人以外にもたくさんの思考のヒントを与えてくれる。エンジニアはもちろん、ビジネスマンにお奨めの一冊。
井関 利明, 山田 眞次郎「思考 日本企業再生のためのビジネス認識論」、学研パブリッシング(2013)
お奨め度:★★★★★
大学改革の手本となった慶應大学SFCの創設メンバーの中心であった井関 利明慶應義塾大学名誉教授と、インクスの創設者であり、モノづくりの論客でもある山田 眞次郎さんが現在のビジネスの認識について過去からの流れを整理し、論じた対談集。パラダイムの変化をうまく議論していて、今、われわれが行っているビジネスを明確に認識できる一冊。
これは名対談集だ。水野学さんによる本全体のデザインもよい。
ケビン・ワーバック、ダン・ハンター(三ツ松 新監訳、渡部典子訳)「ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義」、阪急コミュニケーションズ (2013)
お奨め度:★★★★★
ビジネススクールで初めてゲーミフィケーションの講義を取り入れたウォートンの教科書。MBAプログラムの体系と関連付けながらゲーミフィケーションの説明がされており、ゲーミフィケーションを取り入れた仕組みの構築に役立つ一冊。
楡 周平「象の墓場」、光文社(2013)
お奨め度:★★★★★+α
世界的なエクセレントカンパニーであるコダックをモデルにしたと思われるグローバル企業ソアラ社の日本法人を舞台にした小説。資本主義、企業文化、価値感、イノベーション、技術、組織と人などについて非常に深く考えさせられる一冊。
小説と調査に基づく学術書を比較すべきではないことは重々承知しているが、クレイトン・クリステンセン先生の「イノベーションのジレンマ」以上のインパクトがあった。
特に、小説(ストーリー)という形でしか書けないと思われる全体の構造が見事に書かれており、現場で起こる現象がなぜ起こっているかを、断片的なステレオタイプの指摘ではなく、コンセプチュアルに把握できる。イノベーションや変革に携わっている方すべてに強くお奨めしたい。
天野 祐吉「成長から成熟へ さよなら経済大国 (集英社新書)」、集英社(2013)
お奨め度:★★★★★+α
10月に死去された天野祐吉さんの遺作となるエッセイ。計画的廃品化、差異化、生活大国の3つにキーワードで、戦後の文明を広告を通じて論評している。
相変わらず、軽やかで、本質をついたエッセイもこれで読み納めかと思うと、残念だ。
マイケル・ダイムラー、リチャード・レッサー、デビッド・ローデス、ジャンメジャヤ・シンハ(御立 尚資監修、 ボストン コンサルティング グループ訳)「BCG 未来をつくる戦略思考: 勝つための50のアイデア」、東洋経済新報社(2013)
お奨め度:★★★★★+α
プロダクトポートフォリオマネジメントで知られるボストン・コンサルティング・グループが50周年を迎えるらしい。50周年に刊行された本がこれ。
彼らの叡智を
・変化対応力
・グローバリゼーション
・コネクティビティ(接続性)
・サステナビリティ(持続可能性)
・顧客視点
・組織能力向上
・価値志向
・信頼
・大胆な挑戦
・組織の力を引き出す
の11のテーマに分けて、50の論文を採録している。羅針盤ともいえるような一冊。
アーロン・シャピロ(萩原 雅之監訳、梶原 健司、伊藤 富雄訳)「USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略」、翔泳社(2013)
お奨め度:★★★★★
<紙版><Kindle版>
顧客主義ではなく、デジタル時代の卓越した企業の基本理念になると言われるユーザーファーストというコンセプトを示した一冊。
しっかりとした概念構築の上で、デジタル時代を勝ち抜いてきたさまざまな企業の事例を示しているので、コンセプトも分かりやすいし、実践の方法もイメージしやすい。
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