意思決定 Feed

2008年12月 2日 (火)

これは現代の商品開発プロジェクトマネジメントのバイブルだ!

4873113857 Peter Merholz、Brandon Schauer、David Verba、Todd Wilkens(高橋 信夫訳)「Subject To Change -予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る」、オライリージャパン(2008)

お奨め度:★★★★★

Adaptive Path社の事例を元に、今、多くの企業が直面する「予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る」という問題を真正面から取り上げている。なぜか150ページ強の本に仕上げているが、紹介記事を書くために読み終えるのに4時間もかかってしまった。しかし、4時間でこれだけの内容を読めるというのは、たいへんなことである。そのくらい、よい本。

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2008年11月19日 (水)

兵法三十六計とマネジメント

兵法はもともと、出版物の多いテーマだが、今年1年だけで、ビジネスをテーマにした兵法の本が3冊出ている。これはちょっと驚きだ。

兵法は、中国で5世紀くらいから民衆の間で語り継がれてきた策略の教え。中国オフショアの専門家がいろいろと「中国人は、、、」といっているのを聞くと、兵法を認識しているのかといいたくなる。

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2008年11月 6日 (木)

エド・ブラドー隊長のブートキャンプ

4344015622 エド・ブラドー(青木高夫訳)「交渉のブートキャンプ―12回特訓プログラム」、幻冬舎(2008)

お奨め度:★★★★

勝ち負けというのは過去の交渉スタイルであり、現在の交渉は、当事者同士がどちらも満足するための共同作業であり、相手が得られる満足度は絶対価値ではなく相対価値で決まる

を原則に書かれた交渉スキルの解説本。

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2008年10月30日 (木)

次世代のマネジメントが分かる

4492532471_2 スーザン・ブロック、フィリップ・ホワイトリー(伏見威蕃訳)「フラット化する世界のマネジメント」、東洋経済新報社(2008)

お薦め度:★★★★★

米国に限らず、日本でも業務のグローバル化はどんどん進んでいる。グローバル化の本質はフラット化にある。この点はトーマス・フリードマンが「フラット化する世界」で指摘している。

4532313775 トーマス・フリードマン(伏見威蕃訳)「フラット化する世界(上)、増補改訂版 」、日本経済新聞社(2008)

この本は、フラット化された世界のマネジメントについて、成功例を参考にしながら、ポイントをまとめている。

グローバルな業務をしているマネジャーには必須といえる一冊。

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2008年9月 4日 (木)

「考え抜くマネジメント」の生きた教科書

4784826335 松本 俊人「地域密着型空間プロデュース企業のビジネスストーリー―創業15年で株式公開をめざす元気社長の経営戦略」、週刊住宅新聞社(2008)

お薦め度:★★★★

創業し、戦略的な事業をやるというのがどういうことかを、経営者自らの経験を分析し、徹底的に教えてくれる好書。

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2008年8月26日 (火)

幸之助は過去か、未来か

4569701264 江口克彦「成功は小さい努力の積み重ね」、PHP研究所(2008)

お薦め度:★★★★1/2

ある出版社の編集者の方が「ビジネス&経営実務書の企画をするときに、松下幸之助の言葉をブレークダウンする」と言われていた。松下幸之助の経営哲学を伝え、発展させるために研究所を作ったのだから、このような形はあってしかるべきなのだろう。

一方で、松下電器の近年の課題は、いかに幸之助の経営を乗り越えるかであり、ついに、社名から松下の文字を外した。外から見ている分には、もはや、幸之助は過去の人になった感もある。

さて、幸之助の考えを紹介した本は数え切れなくくらいあるが、松下幸之助の傍らで23年間にわたり薫陶を受け続け、PHP総合研究所の社長まで務めた江口克彦さんの一冊ということで、注目の本。

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2008年8月10日 (日)

トヨタ流ビジネスマネジメント

4569701256 中俣秀夫「部長のためのビジネス・マネジメント」、PHP研究所(2008)

お薦め度:★★★★1/2

トヨタという他社ができないマネジメントで成長してきた企業であるので、特異なことをしているように思っている人もいるが、実際には経営の原理原則を徹底的に探究している企業という方が適切な評価だろう。よく、経営の教科書通りにやってうまくいけば世話はないという発言をする経営者がいるが、100人の経営者の中で、本当に経営学の教科書通りにやっている人はせいぜい1~2名だろう。他の人は、できない負け惜しみに行っているだけだ。現にトヨタは成功している。

また、トヨタは経営学の基本教科書にでてくるようなことだけではなく、最近注目されている組織学習などについても原理原則の一つとして極めようとしている。

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2008年7月14日 (月)

現場マネジャーが読むべき財務マネジメントの本

4492601740 デイビッド・メッキン(國貞 克則訳)「財務マネジメントの基本と原則」、東洋経済新報社(2008)

お薦め度:★★★★★

現場マネジャーにも財務の知識は不可欠である。ただ、財務マネジメントには財務諸表で閉じた独特の世界があり、分かりにくく、近寄りがたい部分がある。その一因になっているのは、マネジメントや経営的な意思決定との関係が見えにくいということがあるように思う。

このため、専門家以外に役立つ本というのはなかなか見当たらない。そんな中で、非常に良い本が出た。

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2008年4月14日 (月)

課長の教科書

4887596146 酒井穣「はじめての課長の教科書」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)

お薦め度:★★★★1/2

この本を本屋でタイトルを見たときに、おっ!と思った。

手にとり、目次を見たら、期待したとおりのものだった。本書は、スキルと問題解決、社内政治とキャリアの4つを軸に、課長の活動のノウハウを書きあげている。

まず、最初の章は課長の定義をしている。経営的意思決定に対する関与、業務にたいする関与、リーダーシップと管理などの観点から課長とはこういうものであることを説明している。そして、日本の企業では組織の原動力だった課長が、成果主義の普及に伴う組織のフラット化の中で存在が薄くなっていき、今日、また、成果主義の揺り戻しの中で再び重要な役割になってきたという経緯を述べている。まさに同感である。

そして、次の章は課長に必要なスキルということで
・部下を守り安心させる
・部下をほめ方向性を明確に伝える
・部下を叱り変化をうながす
・現場を観察し次を予測する
・ストレスを適度な状態に管理する
・部下をコーチングし答えを引き出す
・楽しく没頭できるように仕事をアレンジする
・オスサイト・ミーティングでチームの結束を高める
の8つが必要だとし、これらについてポイントを解説している。
次に、課長が巻き込まれる非合法なゲームということで
・ポストと予算をめぐる社内政治
について述べて述べ、これを切にけて行くにはどうすればよいかを解説している。

そして、次に課長が直面する9つの問題ということで、問題社員への対処、部下のリテンション、部下のメンタルケア、ダイバーシティ、自身へのヘッドハンティングへの対処、海外駐在とその後のキャリアマネジメント、コンプライアンス、部下の人事評価への対処、ベテラン社員への対処といった問題について処方箋を示している。

そして最終章では、自身のキャリアマネジメントとして、自身の弱点を知る、英語力の強化、緩い人的ネットワークの構築、部長を目指す、課長で骨を埋める、社内改革リーダーになる、起業を考える、ビジネス書を読むといった戦略を示している。

これらの4本の柱は適切だと思うし、その内容もいいことがたくさん書いてある。何よりも、こういう形で課長の活動を体系化した点に価値があると思う。特に、スキルにおいては、課長になって身につけるというものではないと思うので、課長にはこんなスキルが必要だと定義したというのは画期的なことではないかと思う。

また、もう一つ、日本ではあまり社内政治を書いた本がないが、そんなに多くの分量ではないが、課長がもっとも悩む社内政治についての1章を設けているのはたいへん、素晴らしいと思う。

ひとつだけ物足りなさがあるのは、キャリアの扱い方である。スキルにしろ、問題解決しろ、社内政治にしろ、課長レベルになると、キャリアを背景に行わざるを得ない。この点があまり明確にかかれておらず、4つの柱の項目間の関連づけがあまり明示されていない。たとえば、どの部下を評価するなどは、自身のキャリアをかけた判断だし、問題解決の多くは係長のように単に答えを出せばよいという立場にはなく、キャリアをかけた答えを出さなくてはならないことがほとんどではないかと思う。

そう考えると、課長のキャリア戦略というのはもっと奥の深いものがあるように思う。企画意義もあり、内容もよくできた本だし、部分的には著者のそのような意識も垣間見れるので、よけいに残念だ。

ちなみに、僕が15年前に神戸大学の金井壽宏先生のMBAコースのゼミでクラスメートと話をしたときに、三分の二くらいの人は中間管理職のマネジメントについて学びたいと話をしていたのをいまでもよく覚えている。当時、ミドルの問題に強い関心を持つ唯一の先生が金井先生だった(今は、先生の教え子をはじめとして多少増えたが、それでもマイナーだな、、、)

ということで、実は昔から非常に関心の高いテーマ。この本を契機にこのようなニーズにこたえる出版がもっとされるとよいなと思う。本書の著者も書いているが、海外では中間管理職などマネジャーの範疇にないので、この分野の本は日本人が書くしかないな。とりあえず、酒井氏の第2作に期待!

最後に、もう、課長の人はこの本を読めばいいと思うが、これから課長を目指す人は、とりあえず、この本を先に読んでみてはどうかと思う。

4822243788 重松 清「ニッポンの課長」、日経BP社(2008)

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2008年3月27日 (木)

下士官にみる現場リーダーのベストプラクティス

4569654029 日下公人「現場指揮官の教訓―強い現場リーダーとは何か」、PHP研究所(2007)4569654029

お薦め度:★★★★1/2

軍事や宇宙開発において膨大な国家予算を費やして開発された技術が、やがてビジネスにおいて活用され、競争優位源泉になっているものは多い。意外と目立っていないのだが、戦争の背骨になる戦略と組織(マネジメント)に対しても膨大な投資が行われており、それもビジネスの世界で活用されているものも多い。

ところが日本の軍隊は敗戦を契機に、よくないマネジメントの引き合いに出されることがあっても、よいマネジメントの引き合いに出されることはない。

この本は、多くのエピソードに基づき、日本組織の特徴を下士官に注目してまとめた本である。

この本を読んでみると、戦争というと上意下達、指揮命令系とがビシッとしている軍隊が最適だと思ってしまうが、実際にはそうではなく、下士官という「現場リーダー」がいるからこそ、「現場が動く」という現実があり、また、現場が独自の判断で行った行動に対して上官は見て見ぬふりをするという組織が意外と強いというのがよく分かる。

確かに、戦隊をどう展開するかといった戦略は現場ではどうしようもないのだろうが、現場の見えていない組織(上官)が、戦略ありきで決めたオペレーションをその通りにやるとどうなるかは大体予想できるというものだ。

欧米の軍隊だと、にもかかわらず、そこまできちんと意思決定をすることが求められ、多くの兵士の死と引き換えに上官は地位を失うのに対して、日本は現場がオペレーションの中で現場が調整をしていく。上司は日常はあまり仕事をしていないが、失敗したら責任をとる。このような組織で勝ってきた戦局が多くあることを指摘し、今、組織が機能しなくなってきたのは、下士官の存在がなくなったからだという。

下士官をビジネス組織でいえば、係長、主任、プロジェクトリーダーといったあたりの役回りである。どのような役回りか。この本の中で、米国の研究を紹介した適切な説明がある。

米国のビジネスパースンは1マス、つまり、自分の職務という「縦のライン」で、かつ、1等級分の仕事しかしていない。日本のビジネスマンは自分の職務に隣接する多種類の仕事をしているばかりか、自分の所属等級を含めて上下に三マス分の仕事をしている。つまり、九マス分の仕事をしていることになる。

隣接の仕事はさておき、上下三マスということろがミソである。少なくとも自分の領域では、自分の上と自分の下の役割も兼ねる。多能工ならぬ、多層工である。

これが日本型マネジメントの本質である。もちろん、これは「ホンネ」の部分の話であって、この本の著者も指摘しているように「タテマエ」では上のマスは上司がやっていることになっていなければならないことは言うまでもない。このあたりのヒューマンスキルをどのように軍隊の中で作り上げていたかも紹介している。

その意味で、日本型組織のベストプラクティスを紹介した非常に貴重な1冊だといえる。係長、課長クラスのマネジャーにぜひ読んでいただきたい。

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