自己学習によってMBAレベルの能力を身につける
ジョシュ・カウフマン(三ツ松 新監訳、渡部 典子訳)「Personal MBA――学び続けるプロフェッショナルの必携書」、英治出版(2012)
お奨め度:★★★★★
Personal MBAは、自己学習によってMBAレベルの能力を身につけようとする本だという。その点で、読者にはあまり関係ない話かもしれないが、この本は極めてよく考えられている。MBAについて関心がある人は一読してほしい。
通常のMBAクラスでは、知識→ケースメソッド→能力化というスキームがとられている。ところが、本の世界ではこのようなスキームは取りようがなく、この本をベースにして、より効果的な自己学習をする方法として、ケーススタディとディスカッションをすること、そして、人脈を作ることを推奨している。
が、この本の書き方は、MBAコースに行って身につく能力を要素還元的に説明している。だから、すでに知っていることが書いてあっても、その説明の仕方は、こういうものの見方があるのかと感じる部分が多い。
そして、10~12章は何度か読み直した。ここには、極めて実践的なシステム論が述べられている。2~9章で習得した内容を、10~12章で学んだことを考えながら使うと、相当な能力が身につくのではないかと思う。
ちなみに、10~12章は
・システムを理解する
・システムを分析する
・システムを改善する
の3つで、簡潔な説明ながら、分かり易くまとめてある。
全体的な構成は、ビジネスマネジメントとソフトマネジメントと、システムマネジメントだが、日本のMBAコースの出身者はシステムマネジメントが弱い人が圧倒的に多い。その意味で、日本のMBAコースの出身者にもお奨めしたい本。
コメント