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2012年11月 9日 (金)

「MAKERS」の時代の会社の経営術

4478022127山本 憲明「社長は会社を「大きく」するな!」、ダイヤモンド社(2012)

お奨め度:★★★★

会社を大きくしてはいけない「4つの理由」、小さくても儲かる会社の「7つのルール」を中心に、小さくて儲かる会社の作り方、運営の方法を書いた本。


「4つの理由」とは、

・資金繰りに追われる
・ずっと拡大し続けなくてはならない
・今後右肩上がりの成長は期待できない
・上場にもデメリットがある

の4つ。

7つのルールとは、

・顧客ニーズをもとに。商品・サービスを考える
・何でもいいから一番になることを考える
・原価率の低い業種を選ぶ
・1人当たりの粗利2000万円を目指す
・ポイントは、「粗利」、「人件費」、「現金化」、「リピート率」
・自分の好きなことを仕事にしよう
・1つの会社にとらわれず、柔軟に経営しよう

の7つ。このあと、具体的なしくみづくりについて述べられている。

この本で、大きくして失敗した企業として挙げられているのは、すべてメーカである。

産業革命以来、企業は、どんどん、大きくすることが望ましいとされてきた。それは、スケールメリットという側面もあるが、もっと、現実的な問題として設備投資の問題があった。企業を大きくしないと設備に十分な投資ができず、競争に生き残れないという問題だ。この問題を人間の叡智で解消してきたのが、日本の中小企業である。多くの中小企業は、独自の特徴を持つ部品を作ることによって、メーカになくてはならない存在として、スモールビジネスを維持してきた。アップルのサプライヤーを見ると、日本は中小企業が目立つ。

しかし、製品のグローバル化とともに、部品ビジネスも規模が大きくなってきた。そして、思惑で投資をして、思惑通りの受注ができず、経営危機に陥るようなケースも出てきた。

一方で、設備投資に対して、MAKERS(パーソナルファブリケーション)のようなコンセプトが出てきた。これからは、むしろ、製品を小規模に展開するメーカが中小企業の主流になってくるように思う。

そのような企業を作り、経営していくことを考えたときに、この本に書いてあることはたいへん、役立つだろう。

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