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2010年8月29日 (日)

第1回おとなの読書会レポート

8月28日にビジネス書の杜初の読書会を行いました。書籍は、ポジティブ心理学の本である「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」。参加者はホストである好川を入れて11名(定員10名)。10名中、9名がIT系(ベンダー、ITマネジメント)の方でした。

簡単ですが、当日の様子をご紹介します。

読書会を開催するに当たって、事前にディスカッション用の6つの質問を準備しておきました。

最初の質問は

本を買ってきて読み出す前の3日間、一日の終わりに一日を振り返って202ページの「ポジティビティの自己診断テスト」を実施してみてみましょう。そして、本を読んだ後に3日間同じことをしてみましょう。その体験を振り返りながら、感じたこと、本の全般的な感想を話し合いましょう。

という質問にしました。この質問が一番おもしろく、この質問を通じて実にいろいろな意見が出てきました。2時間30分のうちの1時間くらい使いましたが、一挙に盛り上がりました。この質問で、ポジティビティやネガティビティという概念の本質的な理解ができたように思います。

次に

「ポジティブ感情とネガティブ感情は異なる時間尺度のうえで意味を持つ」という著者の主張はあなたにとって説得力があるものですか?

という質問について話合いをしました。僕は、この本の中で、この主張が最も重要だと思ったので、このような質問を入れたのですが、半分くらいの方は、この主張にそんなに説得力を感じなかったようです。おもしろいものです。

また、この前提と、事前の診断結果に基づいて3:1という比率についても話し合いをしましたが、このディスカッションポイントは失敗でした。数字の議論になってしまい、どのくらいの比率なら拡張効果がもたらされるかどうかの議論に発展しませんでした。

ただ、何人かから、3日間くらいでは分からないという意見があって、ごもっともですということと、そもそも、3:1は膨大なデータに基づくものなので、信じて目標にすればよいのではないかというもっともな意見でこの件は、落着。

また、数字の議論をする際に、「レジリエンス」の議論が多少深まったのは、よかったと思います。レジリエンスがポジティブ比深く関係するというのは、参加者のいくつかのエピソードを通じて共有できたように思います。

次に、この本からポジティビティを増やすこと、ネガティビティを減らすことに関して何を学んだかという質問について話し合いをしました。いろいろなことが書いてあるけど、この記述だけでは実践するのは難しいのではないかという意見があった一方で、あれもこれも試みるより、絞ってそれを長期間継続的に繰り返す方がよいのではないかという意見もありました。

この本は抽象的な記述が多いので、全般的に参加者は書かれていることに自分の経験や見たことを当てはめて意味を解釈をし、話し合いをしていくというスタイルで進んで行きました。このため、すべての人が、いろいろな方の話と意見を聞けてよかったという感想を述べられていました。

具体的な内容については報告記事で紹介することは控えますが、その点も含めて、土曜日の午後半日、非常によい時間の共有ができたように感じています。

その意味で、イベントとしては良かったように思いますが、読書会としてどうだったかというのはとりあえず、今回は分かりません。次回以降の課題としたいと思います。

本には書き手や出版の意図とは別に、読み手は読み手の世界を作ることに「本を読む」という活動の醍醐味があるように思っていますし、僕がビジネス書の杜のようなスタイルの書籍の紹介をしている理由です。今回意識はしていましたが、それがうまくいったかどうかは、数回読書会をやって比較してみないと分からないなと思った次第です。

それから、定員を10人に設定しましたが、今回の方法で10人では多かったです。7~8名が適切だと思いました。

次回は、9月25日に今話題の

ダニエル・ピンク(大前 研一訳) 「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」、講談社(2010)

を題材に行います。15人という定員設定をしていますが、今回の経験を踏まえて減らすかもしれません。参加を希望される方は、お早めにお申し込みください。なお、今回は議論用の質問リストは本についているものからいくつかを選んでやりたいと思います。

お申し込み、詳細はこちらです。

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