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2009年11月

2009年11月30日 (月)

「よくできた人間観察の記録だね」by 神戸大学加護野忠男教授

447800983x フレデリック・テイラー(有賀 裕子訳)「新訳 科学的管理法」、ダイヤモンド社(2009)

お奨め度:★★★★★

先日、テイラーの「科学的管理法」が有賀裕子さんの訳で出版されているのを見つけ、購入して読んだ。現代的な訳で、すんなりと読め、すばらしい。

テイラーの科学的管理法は100年以上前に発案され、多くのフィールドでの実験をもとにまとめられたものだが、現代ではあまり、評判のよいものではなく、古いとか、人間的でないとかいった批判がある。これは大いなる誤解である。このような誤解をしている人は、ぜひ、この本を読んでみてほしい。今、あなたが直面している状況でも大いに学ぶものがあるだろう。

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2009年11月24日 (火)

「決めるべき」ことを「決める」とうまく行く

4862760384 リクルートHCソリューションユニット、太田芳徳「 「決める」マネジメント――人を活かす職場をつくる」、英治出版(2009)

お奨め度:★★★★★

昨年来、マネジャー・課長向けの本がたくさん出版されているが、ついに決定版が出てきたという感じの本。正解のない時代に明確なマネジャー像を与えてくれる一冊。問題分析がしっかりとしているので、これからマネジャーになる人のためのお勉強ではなく、むしろ、課長で苦労している人、特に「アクティブ・ノンアクション」に陥っているマネジャーにぜひ、読んでほしい一冊。

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2009年11月20日 (金)

依頼者の期待を上回る成果を上げる方法を具体的に説く

4492556524 清水久三子「プロの課題設定力」、東洋経済新報社(2009)

お奨め度:★★★★1/2

コンサルタントであり、また、研修講師でもある著者が書いた、プロフェッショナルの仕事術。プロフェッショナルのプロフェッショナルたる所以は、依頼者の期待を上回ることだと断言し、そのためのコアスキルは問題解決力課題設定にあるとし、考え方、具体的なプロセスやそのプロセスで使えるツールについて簡潔に解説している。納得!である。

これまでになかったカテゴリーの本で、すべてのビジネスマンに呼んでほしい本。

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2009年11月19日 (木)

プロジェクトマネジメントのグル「トム・デマルコ」の集大成

4822284018 トム・デマルコ、ピーター・フルシュカ、ティム・リスター、スティーブ・マクメナミン、ジェームズ・ロバートソン、スザンヌ・ロバートソン(伊豆原 弓訳)「アドレナリンジャンキー プロジェクトの現在と未来を映す86パターン」、日経BP社(2009)

お奨め度:★★★★★

トム・デマルコはプロジェクトマネジメントに対して、独自の視点から、鋭い指摘をした本が何冊もある。プロジェクトマネジメントのグルを一人あげるとすれば、デマルコと言う人は多いのではないだろうか。僕の好きな3冊はこれ。

トム・デマルコ(伊豆原 弓訳)「ゆとりの法則 - 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解」、日経BP社(2001)

トム・デマルコ、ティモシー・リスター(伊豆原 弓訳)「熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理」、日経BP社(2003)

トム・デマルコ、ティモシー・リスター(松原 友夫、山浦 恒央訳)「ピープルウエア 第2版 - ヤル気こそプロジェクト成功の鍵」、日経BP社(2001)

今回の本は、このような膨大な著作のコアメッセージをTips(パターン)の形でまとめたもので、おまけに、かなりユニークなネーミングとフレーズになっており、楽しめる。ファンであれば待望の一冊。

この本を読んでみて、物足りなければ、単独テーマの本に行くのもよいだろう。

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2009年11月 9日 (月)

【ビジネス書の杜の地図】プロジェクトマネジメントの探検

仕事がらみだが、最近、文系のビジネスマンからプロジェクトマネジメントの勉強をするのに本を推薦してほしいという問い合わせを時々、受けることがある。

ちょうど、今、プロジェクトマネジメントの本の整理しているので、ブログの記事にもしておく。ジャンルを、技法、マインド、実践の3つに分けている。ご参考になればうれしい。

【技法】
技法だとこの本。わかりやすい上に、網羅的で、結構、深いことまで書いてある。また、TIPSはしゃれていて、共感できるものが多い。ただし、分量は膨大。

4893468995 サニー・ベーカー、マイケル・キャンベル、キム・ベーカー(中嶋 秀隆、香月 秀文訳)「世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント」、総合法令出版(2005)

※この本の原著は改訂版が出ている。

The Complete Idiot's Guide to Project Management, 4th Edition(2007)、

【心構え・マインド】
プロジェクトマネジメントは専門職や、現場のマネジメントツールだと考える向きが多いが、それは間違い。すべてのビジネスマンの武器である。とくに、マインドや心構えは、一般的なマネジメントとは一線を画すところがあるので、参考になるだろう。

プロジェクトマネジメントについて、その心構えやマインドを学びたいなら、この本がおすすめだ。多くの本がプロジェクトとは何かを語らずに(あるいは形式的にだけ語り)、プロジェクトマネジメントを論じているのに対して、この本はプロジェクトの本質を考えればプロジェクトマネジメントは何をすべきかは明確だろうというスタンス。すばらしい本だ!

4484003120 トム・ピーターズ(仁平 和夫訳)「セクシープロジェクトで差をつけろ! (トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦 (2))」、阪急コミュニケーションズ(2000)

トム・ピーターズというと、「エクセレントカンパニー」で著名な経営コンサルタントのイメージがあるが、意外とプロジェクトマネジメントの仕事をしている。ホームページのコンテンツにもプロジェクトマネジメントの情報がたくさんある。もちろん、レベルはとてつもなく高い。

tompeters! management consulting leadership training development project management

【実践】
実践というのは、プロジェクトマネジメント手法そのもののより深いノウハウの解説ではなく、実際に業務管理にどのようにプロジェクトマネジメントを活用していくかを語った本。適用となってくると、一般的なマネジメントとの区別が難しく、書籍も拡大解釈すれば山ほどあるし、厳密にいえば、あまりない。特に日本では、IT(システム開発業務)に偏っている。

この選定は厳密なところで行っている。2冊のどちらにしようかと迷った本があるが、問い合わせてくる人の属性を配慮して、こちらを選択。

487311299001 Scott Berkun(村上 雅章訳)「アート・オブ・プロジェクトマネジメント ─マイ
クロソフトで培われた実践手法
」、オライリー・ジャパン(2006)

この本は、マイクロソフトのパッケージ開発を下敷きに、どのようにマネジメントをしていくかを語った本で、業務管理の技法そのものについても、考え方についても非常に学ぶべきことが多い。日本語で読めるプロジェクトマネジメントの本を一冊といわれると、間違いなくこの本を推薦する。

ビジネス書の著者セミナーに挑戦します

ビジネス書の著者セミナーに挑戦します。

今まで、Awardに選んだ本については、著者にご登壇頂く形式のセミナーをやってきましたが、ブログの読者の方も増えてきましたので、本格的に著者セミナーに挑戦してみようと思います。

といっても、最初は難しいと思いますので、「専門バカにならないためのマネジメント講座」と「相乗り」にしました。1年くらい先を目標に、ビジネス書の杜独自のセミナーをやりたいと思っています。

準備の都合があって告知が遅れてしまったのですが、ファーストチャレンジは、「ラテラルシンキング」です。1年近く前に、こちらの記事で紹介した本のセミナーになります。

「一休さん」の思考法

https://mat.lekumo.biz/books/2008/12/post-3803.html

セミナーの概要、申し込みページURLは以下の通りです。多くの人のご参加をお待ちしています。

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ビジネスマンのための水平思考講座◆
  日時:2009年11月21日 13:30-17:00
  場所:森下文化センター(東京都江東区)
  講師:山下貴史(プロジェクトマネジメントオフィス)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/pmstyleplus/lateral.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【カリキュラム】
1.はじめに:ラテラル・シンキングとは・・エクササイズ
2.課題と合理的ソリューションの関係・・解説と問いかけ
3.ヒューリスティクスの存在を確認する・・解説
4.視点を変えてみよう・・代表数名によるエクササイズ
5.他人の思考で考えてみよう・・クイズ/ゼロベース、素人、第三者発想法
6.課前提を疑う・・紙ベースのクイズ
7.前提を変える(ヒューリスティクス利用)・・クイズ
8.答えから考えてみる・・エクササイズ/未来発想法
9.課題に対する新たなソリューションを見つける・・確認エクササイズ
10.まとめ&質疑応答
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

なお、第二弾は近日公開予定です!

2009年11月 3日 (火)

2009年10月ベスト3

先月もブログの更新は低調でした。いろいろと事情はあるのですが、1年間続けていた日記を中断したというのが、一つ、大きいですね。なんで日記やめたんですかというメールも10人くらいからいただいているので、今のところ、中断。

復活するか、別のスタイルを取るか考えようと思っていますが、いずれにしても来年からになりそうです。

おかげさまで、ブログの更新をしていない割には、販売は堅調です。昔の記事を読んでくださっている方が多いみたいで、今月、なんと1冊以上売れた本の点数が500冊を超えました。これは珍事といってもよいでしょう。

珍事ついでにもう一つ。僕が2003年に書いた本で「プロジェクトマネージャーが成功する法則―プロジェクトを牽引できるリーダーの心得とスキル」という本があるんですが、絶版されていて、アマゾンでは古本で買えます。これがなんと11冊売れました。最近は、2~3ヶ月に1冊くらい古本で売れるという感じでしたので、まさに珍事です。なぜでしょう。。。

ということで、今月のベスト3は以下の通りです。地味ですが、いい本が並んだって感じです。

今月の1位は、「コンテキスト思考のススメ」。今年の6月に出た本ですが、メルマガで紹介するの紹介記事を書いたら、たくさん売れました。そろそろ、Award2009が気になっていますが、この本、候補の一冊です。

第2位のプレゼンテーションZenは先月1位でしたが、今月も2位になりました。

第3位の「ゲーム理論の思考法」は9月のプレゼント本でした。

【第1位】コンテキスト思考のススメ
https://mat.lekumo.biz/books/2009/10/post-33b4.html
【第2位】プレゼンテーション Zen
https://mat.lekumo.biz/books/2009/09/post-0a1b.html
【第3位】ゲーム理論の思考法
https://mat.lekumo.biz/books/2009/09/post-a1e7.html

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