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2009年8月 9日 (日)

あるリーダーシップの旅

4413037197 松山 淳「真のリーダーに導く7通の手紙」、青春出版社(2009)

お奨め度:★★★★

ひとりのミドルマネジャーのリーダーシップの旅を7通の手紙として描いた物語と、心理学的な視座からその旅を解説していく形式のリーダーシップ読本。

この種の本によくある、何かを言いたいが故の不自然な状況設定などがあまりなく、物語として素直に読める。また、解説もわかりやすい。

物語の主人公は大手メーカーで実績を上げながらリストラされ、父親の創業した中小企業へ仕事の場を移す。父の会社でも営業部長として厳しい経営環境の中で結果を残すが、父亡き後、後継の社長の「百年に一度の危機」を乗り越えるためのリストラ策の中で、課長に降格される。長年のお得意様からは、父親にまったく及ばないことを指摘され、「自分が知らないことを知れ」と指摘される。社長から押しつけられたできの悪い部下は主人公を無視し、主人公の上司の部長と相談しながら勝手にやっており、疎外感を持つようになる。

そうしているうちに、人員削減をしないと言っていた社長が突然、人員削減を発表する。その中に、できの悪い部下が含まれていた。伝えるために、初めてその部下と真剣に対話をした主人公は、部下のことを知らないことに気づき、また、部下の事情や思いを聞き、人員削減の撤回を社長に求める。

社長の条件は、社員全員の反対の署名。タカをくくっていたが、主人公の人望のなさ故に署名は思ったように集まらない。そのうち、番頭役のような工場長から呼び出され、ちゃんと向き合えと一喝される。そして次の日から、ひとりひとりにあって、ついに全員の署名を取り付け、取締役会で正式に反対表明をする。

社長を除く全役員が賛成。しかし、同時に、社長は責任を問われ、解任される。そこで、主人公は、自分を育てるために仕組まれたシナリオだったことに気がつく。

そして、一連の騒動から半年後、主人公は社史の編集することになり、そこで、今までは知らなかった父親の考えや思いを徐々にしることになる。そして、それを知りつつも、自分は自分の道を歩むことを改めて決意し、次なる旅への一歩を踏み出す。

ざっとこのような物語が、7通の父への手紙

一通目「逆境」―逆境のなかでこそ、人は大切なことに気づく
二通目「助言」―今まで知らなかった「もう一つの自分」を知るとき
三通目「交錯」―悩みを「話す」ことは、悩みを「離す」こと
四通目「錯覚」―嫌いなものとは、無意識のなかにある自分の「影」
五通目「異変」―「聴く」ということは、苦しみを分かちあうこと
六通目「自覚」―「鎧」を磨くのではなく脱ぎ捨てることで真の強さを持つ
七通目「門出」―「門」をくぐり抜けた先に、理想のあなたが待っている

で描かれている。

そして、それぞれの手紙の意図、および、対処をポイントとして解説している。ポイントは、

(1)逆境の中で大切なことに気づく
(2)知らなかった自分を知る
(3)「話す」とは「離す」こと
(4)無意識の自分の中にある自分の影を嫌う
(5)「聴く」ことは苦しみを分かち合う
(6)「鎧」を磨くのではなく、脱ぎ捨てることによって真の強さを持つ
(7)「門」をくぐり抜けたあとに理想のあなたがまっている

実は、この本はアップルシード・エージェンシーという出版エージェントの方から、書籍プレゼントのオファーを戴き、読んだ本である。

読んでいるうちにびっくりしたのだが、僕のクライアントでものすごくにたケースを経験したことがある。実際のケースは、結局、主人公の立場の人(創業者)の息子さんが父が作り、創業時からのメンバーが継承した会社を飛び出し、ベンチャーを作った。それなりに成功しているのでまあ、それはそれでよかったと思うが、僕はかれこれ10年ちかく、一連の流れに関わった。

その方がこの本を読んでいたら、きっと、結末が違っただろうという気がした。一方で、この本の物語と同じような旅をするとは限らなかっただろうとも思う。

解説編はかなり理論的に書かれているが、全体としては、この本は何かを押しつける本ではなく、考えさせ、見つけさせるような性格の本ではないかと思う。

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