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2008年10月14日 (火)

21世紀型のマネジメントとリーダーシップ

4334034713 高間邦男「組織を変える「仕掛け」」、光文社(2008)

お奨め度:★★★★1/2

ヒューマンバリューの高間邦男さんが、自社で実践している活動を中心にして、新しい組織マネジメントやリーダーシップのあり方、また、そこに向けての組織変革について全体像を示した一冊。

著者のいうアプローチの前提になっているのは、3つの世の中の変化。

・変化のスピードの加速
・複雑性の増大
・多様性の高まり

これに対応するためには、組織のメタファを変える必要があり、農耕社会の建物、工業社会の機械から、生命体に変える必要があるという。

このためには働きがいを作ることが必須であり、そのためには、対話を背景にし、ステークホルダが一同に会して問題解決を行うホールシステムアプローチ、弱さの克服より強みの強化を重視するポジティブアプローチが適していると主張。

この本では、ポジティブアプローチについて全体の半分くらいを割いて解説している。ここでは

・信頼感のある対話の場を作る
・メンバーの「察知力」を高める
・一人ひとりをリスペクト氏、強みを認める
・主体性を引き出す
・自他非分離の場を作る
・暗在的リーダーシップでサポートする

という6つの原則で実現することを提案している。

最後に、このような方向に組織を変えるためのアプローチとして

ステップ1:全体観を持ち、状況の共有によって視座の向上を図る
ステップ2:みなのありたい姿、夢を共有する
ステップ3:関係性の向上を図る
ステップ4:目的・ゴールを共有する
ステップ5:否定と創造
ステップ6:新しい意味の創造
ステップ7:アクションプランをつくる
ステップ8:行動する
ステップ9:振り返り、成果を実感する

という9ステップのアプローチを提案している。

この本そのものは、ダイジェスト版のようなイメージがあり、実践したい人には以下ような本をご紹介しておく。

499032983x アニータ・ブラウン、デイビッド・アイザックス、ワールド・カフェ・コミュニティ(香取一昭、川口大輔訳)「ワールド・カフェ~カフェ的会話が未来を創る~」、ヒューマンバリュー(2006)

4990329813 ハリソン・オーエン(ヒューマンバリュー監修、編訳)「オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~」、ヒューマンバリュー(2007)

4990329848 アダム・カヘン(高間邦男監修、ヒューマンバリュー編訳)「手ごわい問題は、対話で解決する」、ヒューマンバリュー(2008)

4990329805 ダイアナ・ホイットニー(ヒューマンバリュー監修、編訳)「ポジティブ・チェンジ~主体性と組織力を高めるAI」、ヒューマンバリュー(2008)

【目次】

第1章 仕事をめぐる環境が、大きく変わった(メンタルモデルの大きな転換点
マネジメントのあり方に影響を与える、環境の変化)
第2章 組織は生命体(組織のメタファーを変える
組織の生態系が壊れると、何が起こるのか)
第3章 「働きがい」をつくり出す方法(関係者が一堂に会するホールシステム・アプローチ
ギャップアプローチ ほか)
第4章 ポジティブアプローチで組織を変える(信頼感のある対話の場をつくる
メンバーの「察知力」を高める ほか)
第5章 組織を変えるプロセスをコントロールする(組織変革の九つのステップ
全体観をもち、状況の共有によって視座の向上を図る ほか)

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