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2008年6月23日 (月)

究極のステークホルダマネジメントは「味方にすること」

4534043880臼井由妃「出会った人すべてを味方に変える技術」、日本実業出版社(2008)

お薦め度:★★★★

日本ほど長期にわたり、人が現場に執着する国はないのではないかとつくづく思う。70歳を超えても平気で現場にいる。経営にしろ、技術にしろ、である。こうなってくると、若くして頭角を現すには、相当な地力が必要である。その地力は、単に仕事ができるとか、頭がよいといったことだけでは済まない。もっと人間臭いものが必要である。

本書の著者の臼井由妃さんもその若くして成功した一人ではないかと思うが、その秘訣を垣間見ることができるのがこの一冊。

この本のキーワードは味方である。仕事をするにしろ、事業をやるにしろ、生活をするにしろ、無視できないステークホルダがおり、そのステークホルダを味方にするのと敵にするのは大きな違いである。臼井さんがこの本でまず取り上げているのは上司。企業に勤める人なら、たぶん、ライフバランスにもっとも影響を与える一人だろう。臼井さんは成果主義の本質は好き嫌いにあるといい、如何に上司に好かれるかを考えるべきだという。そのために
・共感する
・いやなことを進んでやる
・否定しない
の3つを守れという。

この本ではこのように、とても具体的な方法で、味方を作るためのコミュニケーションの方法を教えてくれる。

もう一つ、この本でこだわっているのは、味方の質である。一生ものの味方をどうすれば作れるかに焦点を当てている。これは結構難しい。呉越同舟だってその場だけを切り取れば味方である。

この本の前提は、話せばわかるではないが、基本的に人間は味方になれるということにあるようだ。しかじ、実際にはこれがもっとも難しい。味方になれると信じない限り、味方にはなれない。極論すれば味方になると思えるからこの本に書かれていることが信じられるといえる。ここをどうコントロールしていくかが大きな問題である

読んでいる途中でこんな疑問が頭を掲げて最後まで読み進んだが、結局、この問題に対して明確な答えはなかったように思う。

それはさておき、臼井さんは実際に味方マップを作ってみて、とりあえず、5人の味方を作ってくれることから始めよと言っているが、今のあなたには何人の味方がいるだろうか?もし、5人いなければ、迷わずこの本を読もう!

【目次】
プロローグ 味方がいれば、明るい未来があなたのものになる!
1章 誰でも一生モノの味方と出会える「考え方」
2章 一瞬で相手を自分のファンにする「印象アップ術」
3章 どんな大物をも味方につける「コミュニケーション法」
4章 「男らしさ・女らしさ」をふまえた味方作りのポイント
5章 敵をも自分の味方に変える「上級テクニック」
6章 「相手のタイプ別」心をギュッとつかむ方法
7章 口にするだけで好かれ出す「魔法の言葉」
エピローグ 成功者は、味方作りに手を抜かない

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