生産WBS
林 謙三「生産WBS入門―個別設計生産のマネジメント」、オーム社(2007)
生産活動のすべての事象を生産WBSにより一元的に把捉し、生産マネジメントを行う考え方を提案している。
WBSに注目している人は少なくないが、この本ほど、WBSをうまく利用しているのは稀ではないかと思う。WBSは本来、プロジェクトスコープマネジメントのツールであるが、この本で提案しているプロダクトWBSは、生産マネジメント、事業管理、開発フェーズのプロジェクト運営、受注フェーズのプロジェクト運営といったプロジェクトマネジメントのツールとして以外にも、生産マネジメントの改善・改革、個別設計生産情報システムなどを統合するツールとして実にうまく使っている。
生産マネジメントにおいてはかなり実践的な手法だと思わせ、また、本として具体的な事例を中心に書いているので、使える内容である。
問題は、この手法を生産マネジメント以外に使えるかどうかだ。この手法は小さなシステムのシステムインテグレーションにはばっちり使えるように思う。ぜひ、チャレンジしてみて欲しい。
【目次】
1章 個別設計生産と生産WBS
2章 プロダクトWBSの役割
3章 ファンクショナルWBSの役割
4章 ワークパッケージによる生産マネジメント
5章 生産WBSによる事業管理
6章 開発フェーズのプロジェクト運営
7章 受注フェーズのプロジェクト運営
8章 生産マネジメントの改善・改革
9章 個別設計生産情報システム
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