CCPM+Lean+PMBOK=?
ラリー・リーチ(小林英三(監訳)、岡野智加、酒井昌昭、津曲公二、平鍋伸忠、藤川博巳(訳))「リーンプロジェクトマネジメント―リーン・クリティカルチェーン・PMBOK Guideを統合した、プロジェクトマネジメントのバイブル」、ラッセル社(2007)
お奨め度:★★★1/2
クリティカルチェーンプロジェクトマネジメントの名づけの親といわれているラリー・リーチの新しいプロジェクトマネジメント論。
現在、プロジェクトマネジメントの流れとしては、
・プロアクティブに計画を作り、計画実行によりプロジェクトを進めていくことを目指すPMBOK
・プロジェクトの目標を設定し、目標達成のための問題解決とプロセス改善を中心にプロジェクトを進めていくCCPM
・チームとプロトタイピングにより、創造性を追及するアジャイルプロジェクトマネジメント(リーンプロジェクトマネジメント)
の3つがあると考えてよい。現在のところ、プロジェクトマネジメントを適用したい目的としてはプロジェクトを失敗しないというのが多く、このため、PMBOKが圧倒的に進んでいるが、これらは本来、補完的に機能することが望まれるものだろう。
その中で、現在の普及の度合いもさることながら、この3つの中では最もフレーミングがしっかりしているPMBOKを中心にどのように他のプロジェクトマネジメントのよさを取り込んでいくかというのがポイントになる。
この問題に対して、ラリー・リーチ博士が書いた書籍がこれ。
人々を統率する
→プロジェクト憲章
→適切なソリューションの選択
→変動性を管理する
→プロジェクトのリスクの管理
→プロジェクト計画
→実行
というフレームの中で、3つの方法のツールをどう使っていくかを示している。これをPMBOKのフレームだというと、CCPM派からはクレームがつくかもしれないが、はやり、基本的にはPMBOKに見える。
ゆえに、PMBOKプロジェクトマネジメントをやっている人たちにもお奨めした1冊である。
【目次】
第1章 プロジェクトシステム
第2章 人々を統率する
第3章 プロジェクト憲章
第4章 適切なソリューションの選択
第5章 変動性を管理する
第6章 プロジェクトのリスクの管理
第7章 プロジェクト計画
第8章 実行
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