デマルコの真髄
吉平健治「トム・デマルコの「プロジェクト管理」がわかる本―ポケット図解」、秀和システム(2007)
お奨め度:★★★1/2
トム・デマルコというと、
「デッドライン―ソフト開発を成功に導く101の法則」、日経BP社(1999)
「ピープルウエア 第2版 - ヤル気こそプロジェクト成功の鍵」、日経BP社(2001)
「ゆとりの法則 - 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解」、日経BP社(2001)
「熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理」、日経BP社(2003)
などの、人間に焦点を当てた、独自のソフトウエアプロジェクトマネジメント論を展開するプロジェクトマネジメントのグルの一人である。
そのデマルコのプロジェクトマネジメントを解説した本が本書。この本は2つの要素があり、前半は、著者がデマルコのプロジェクトマネジメント理論を解釈してどのように実践すべきかを述べている。後半はデマルコの理論のポイントになる部分を解説している。
デマルコのプロジェクトマネジメントは人間を中心においているため、PMBOKのように体系的ではない。著書も、すばらしいTipsが並んでいるし、また、大局的なものの見方が素晴らしい。
そのため、この本もどちらかというと体系的にまとめた本というよりは、数多くのTipsをまとめてあり、GTD本的な趣の本である。
その意味で、デマルコの主張を手っ取り早く読むにはよい本だ。ただし、デマルコの本は、行間に多くの情報があるので、この本を読んだ後で、やはり、一度は、オリジナルの本を読んで見られることをお奨めする。
目次
第1章 プロジェクト管理は心の管理
第2章 生産性を向上させるオフィス環境
第3章 チーム力を上げる
第4章 プロジェクトを成功させる組織
第5章 デマルコのプロジェクト管理術
第6章 ソフトウェア開発におけるリスク管理
第7章 リスク管理の手順
コメント