組織学習の全てがわかる!
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編訳「組織能力の経営論~学び続ける企業のベスト・プラクティス」、ダイヤモンド社(2007)
お奨め度:★★★★★
30年前にアージリスが学習する組織を提唱し、その後、さまざまな研究が行われてきた。そして、90年代になり、ピーター・センゲが「学習する組織」の概念を体系化したのをきっかけに、学習する組織がマネジメントの中心課題の一つになってきた。
この本はこの問題に対して、さまざまな角度から出てきた理論をまとめた本である。ダブル・ループ学習、ディープ・スマート、T型マネジャー、知識創造企業、場などの誰でも知っている理論のオリジナルの著作がずらっと並んでいる。興味のある人は一度は読んでおくとよいだろう。
また、ピーター・センゲの「最強組織の法則」を読んでいない人は、併せて読むと、それぞれの位置づけが明確になってよいと思う。ぜひ、併読をお奨めしたい。
目次
第1章 ナレッジ・クリエイティング・カンパニ
一橋大学 名誉教授 野中郁次郎
第2章 「学習する組織」の実践プロセス
ハーバード・ビジネススクール 教授 デイビッド・A・ガービン
第3章 「ダブル・ループ学習」とは何か
ハーバード大学 名誉教授 クリス・アージリス
第4章 防衛的思考を転換させる学習プロセス
ハーバード大学 名誉教授 クリス・アージリス
第5章 学習する組織へのブレークスルー
ハーバード大学 名誉教授 クリス・アージリス
第6章 ディープ・スマート:暗黙知の継承
ハーバード・ビジネススクール 名誉教授 ドロシー・レオナルド
タフツ大学 名誉教授 ウォルター・スワップ
第7章 「場」のイノベーション・パワー
ナレッジ・マネジメント・コンサルタント エティエンヌ・C・ウェンガー
ソーシャル・キャピタル・グループ 共同設立者 ウィリアム・M・スナイダー
第8章 T型マネジメント:知識共有の技術
ボストン コンサルティング グループ シニア・ヴァイス・プレジデント ボルコ・フォン・オイテンガー
INSEAD 教授 モルテン・T・ハンセン
第9章 エビデンス・マネジメント
スタンフォード大学経営大学院 教授 ジェフリー・フェッファー
スタンフォード大学 エンジニアリング・スクール 教授 ロバート・I・サットン
第10章 チーム学習を左右するリーダーの条件
ハーバード・ビジネススクール 准教授 エイミー・エドモンドソン
ハーバード・ビジネススクール 助教授 リチャード・ボーマー
ハーバード・ビジネススクール 教授 ゲイリー・ピサノ
第11章 ヴィルトーゾ・チームのつくり方
IMD 教授 ビル・フィッシャー
ボストン大学 キャロル・スクール・オブ・マネジメント 学長 アンディ・ボイントン
第12章 トヨタ生産方式はこうして再現される
ハーバード・ビジネススクール 助教授 スティーブン・J・スピア
第13章 AAR:アメリカ陸軍の学習法
シグネット・コンサルティング・グループ パートナー マリリン・ダーリング
シグネット・コンサルティング・グループ パートナー チャールズ・パリー
シグネット・コンサルティング・グループ パートナー ジョセフ・ムーア
第14章 組織能力の評価法
ミシガン大学 教授 デイビッド・ウルリッヒ
リザルツ・ベイスト・リーダーシップ 共同創業者 ノーム・スモールウッド
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