顧客起点のマーケティング
平井孝志「顧客力を高める、売れる仕組みをどうつくるか」、東京経済新報社(2007)
お奨め度:★★★★
この本もまた、「組織力を高める」の著者の一人が書いたマーケティング論。顧客中心型のマーケティングと、その具体的な実現方法、仕組み作りについて述べている。
顧客力とはあまり耳にしない言葉だが、著者のいう顧客力は
顧客起点で売れるモノやサービスを継続的に生み出す能力
であり、これは
マーケティング脳:顧客と共鳴できるユニークで柔軟な発想力
場の構築力:顧客のまわりに業務連鎖を設計・構築する能力
の2つの掛け算で生まれるというのが、この本の考えである。
そして、この本では、マーケティング脳の作り方、および、場の構築プロセスを具体的に解説している。デル、スターバックス、トヨタなどを例にとりながら説明されているので、納得性がある。
最後に、顧客力を組織力に高める方法について述べている。前著の組織力を高めるとの関連がここにあるようだ。
その方法とは、マーケティングの専門部隊を置き、それを組織のマーケティング脳にしていく。そして、その部隊を中心に
・場の見える化
・標準化の推進
・現場での適応化
の3つを行うことだという。この部分はさらなる検討がほしいところだが、方向性としては共感できる。
目次
第1章 「顧客力」とは何か
第2章 「顧客力」が発揮しにくい理由
第3章 「マーケティング脳」を鍛える
第4章 顧客と企業が共有する「場」を構築する
第5章 「顧客力」を「マーケティング組織力」にまで高める
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