クリエイティブ・クラスを目指そう!
リチャード・フロリダ(井口典夫訳)「クリエイティブ・クラスの世紀~新時代の国、都市、人材の条件」、ダイヤモンド社(2007)
お奨め度:★★★★1/2
リチャード・フロリダは都市経済学者である。フロリダによると、今、経済はクリエイティブ・クラスと呼ばれる人材がリードするという時代に入ったという。本書はその論文である。
クリエイティブ・クラスというのをひと言で言うのは難しいが、新しい概念ではない。15年前にピーター・ドラッカーがナレッジワーカーの時代であると指摘したが、クリエイティブクラスそのものはナレッジ・ワーカーである。
ただし、ナレッジワーカーの中で、リードしていける、イノベーションを引き起こすることのできるナレッジワーカーであり、フロリダの主張はそのようなクラスのナレッジワーカーが経済を引っ張り出しているというのだ。
ドラッカーのいうように、いまや、先進国におけるほとんど仕事は知識労働になっている。言い換えると、労働者の多くはナレッジワーカーである。知識労働における価値の増大はイノベーションが全てであるといってもよい。そう考えると、この流れは自然な流れである。
表紙で紹介されているカーデザイナーの奥山清行氏の言葉が印象的である。
「トヨタの成功の理由は製造現場のクリエイティブ・クラスにある」
マネジャーのクリエイティブ・クラスとは、通常ではできないような目標をイノベーションによりクリアしていくような人材であろう。クリエイティブであるかどうかが、これからのマネジャーの評価基準になることをこの本は教えてくれる。
特に30代の人は時間をとってでもじっくりと読んでみて欲しい。人生観が変わるかもしれない。
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