内部統制を学ぼう
平野和久、三木晃彦、木村善一(西川郁生監修)「ドラマで学ぶ実践・内部統制―「何をどこまでやればいいか」が手にとるようにわかる」、日本経済新聞出版社(2007)
お奨め度:★★★★
このブログでは、いままで、あまり、内部統制の本を取り上げてこなかった。現在のところのニーズを踏まえているのだと思うのだが、専門書の類の本か、ほとんど内容がない図解本かのいずれかしかなかったからだ(それでも売れているという)。
このテーマが難しいのは、どこにフォーカスして出版するかだと思う。会計・財務部門や、内部統制構築プロジェクトの従事者などにむけた本はある。しかし、内部統制を成功させるには、一般社員の(かなり深い)理解がポイントになる。ここが一般ビジネスマン向けのセグメントになると思うが、これがないのだ。
そのような中でこの本は、一般のビジネスマンにお奨めできる本である。内部統制の説明から、構築、フォーローまでが、夏目マリという経営企画室のスタッフがリーダーになるプロジェクトの様子を物語りにして書かれている。
構築過程が読みやすく書いてあるし、一般の社員が何を求められるか、どう会社が変わって行くかも具体的に分かる。非常によい本である。
目次
I 企業改革法のインパクト----だから内部統制が必要なんだ!
II 内部統制の構築----内部監査部門を立ち上げよ!
III SOX法の実務への適用を学ぶ----これが「文書化」の手順だ!
IV 日本版SOX法への対応、いよいよ実戦へ----内部統制システムを完成せよ!
V 日本版SOX法への対応、経営会議で承認----経営改革に直結していた!
エピローグ 最年少室長の誕生----マリ、君への期待は大きいよ!
あとがき
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