英語でプロジェクトマネジメントを勉強しよう
Gary B. Heerkens「Project Management -24 LESSONS TO HELP YOU MASTER ANY PROJECT」、McGraw-Hill (2007)
お奨め度:★★★1/2
マネジメント論は英語圏の生まれのものが多い。そのため、日本語にするとニュアンスが伝わらないものが多い。要するに文化を理解し、考え方や慣行を理解しない限り、うまく使えないのが欧米のマネジメント論である。
そんな困難さに多少なりとも便宜を提供してくれるのがこのシリーズだ。非常に基本的な範囲に限られるが、英語と日本語の対訳形式で書かれている本。訳が非常によいので、丁寧に英語と日本語を読んでいけば、かなり、ニュアンスが分かる。
ということで、プロジェクトマネジメント編を待っていたのだが、やっと出た!
期待通りである。タスクとアクティビティと違いがきちんと分っている人はそんなに多くないだろう。PMBOK(TM)第3版では、ニュアンスのある言葉はほぼ例外なく、カタカナにしてしまって、分かった気になったようで分からないことがたくさん分かる。
内容的には(欧米的なクセはあるが)、半日くらいのセミナーを受講したことのある人なら、十分、知っている内容であるので、言葉に絞って、プロジェクトマネジメントの本質を考えたいと思う人にはお奨めだ。
この本を読んで英語が分かったら、次にぜひ、お奨めしたいのが、この本。
G. Michael Campbell、Sunny. Baker「The Complete Idiot's Guide to Project Management (Complete Idiot's Guide to) 」、Alpha Books(2007)
お奨め度:★★★★1/2
Complete Idiot's Guide(日本では「世界一分かりやすい」シリーズ)のプロジェクトマネジメントの第4版。日本では第3版をプラネットの中嶋さんたちが翻訳をされ、非常によいできの本。翻訳のできもあって、よく売れているし、プロジェクトマネジメントのコンサルタントや講師からの評価も高い一冊である。
第4版の訳本がでるとしてもしばらく時間がかかると思うので、この際、ぜひ、英語版でチャレンジしてみよう。PMBOK3版を反映し、第3版にかなり多くの項目が加わっており、一層充実している。
プロジェクト管理の科学と技術(The science and art of project management)
1. プロジェクト・マネージャーの役割を理解する(Understand the PM’s role)
2. しっかりしたチームを作る(Build a solid team)
3. 真のニーズを理解する(Understand the true need)
4. 財務分析を行う(Perform a financial analysis)
5. まず正式なプロジェクト発足会を開く(Conduct a formal kickoff)
6. 立ち止まって「現実性をチェックする」(Pause for “reality checks” )
7. 無駄なプロジェクトは中止する(Terminate unworthy projects)
8. 論理的な計画を立てる(Develop a logical plan)
9. 学習の余地を残す(Leave room for learning)
10. チームのダイナミクスを理解する(Understand team dynamics)
11. コンフィグレーション・プランを作成する(Develop a configuration plan)
12. プロジェクトのすべてのステークホルダーに対応する(Manage all project stakeholders)
13. 基準と比較して判断する(Measure against a baseline)
14. 脅威となるものを客観的にとらえる(Be objective about threats)
15. コミュニケーションチャネルを積極的に管理する(Actively manage communication channels)
16. プロジェクトにとって最良の結果を目指す(Optimize project excellence)
17. プロジェクト後のことを考慮する(Consider post-project issues)
18. インターフェースを管理する(Manage interfaces)
19. 自己管理を実践する(Practice self-management)
20. 成功の評価基準がいくつもあることを認識する(Recognize multiple success metrics)
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