マーケティングにおけるギャップに悩む人必読
石川昭、辻本 篤編「新製品・新事業開発の創造的マーケティング―開発情報探索のマネジメント」、生産性出版(2006)
お奨め度:★★★★
編著であるが、研究開発から製品開発、事業開発までバランスよくまとめられており、初心者が読むにも適した製品開発、事業開発のテキスト。
第2章では、戦略実行のための研究開発のあり方について解説されている。特に、マーケティングのさまざまな活動と研究開発活動をどのように関係付けていくかを丁寧に解説している。
第3章では、研究開発における意思決定について解説されている。テーマの選定および、継続中止などの評価と判断をどのように行うかを解説している。
第4章では、マーケティングにおける情報活動について解説している。
第5章では、研究開発活動における情報活動について解説している。
6章以下は、これらの解説を事例によって解説している。「からだ巡礼(TM)」、Webリコメンデーションシステム「教えて!家電」、ロボットの開発などの特徴のある事例を取り上げて解説しているので、とても面白い。
最後に9章では最近注目されている、クレームベースの製品開発について解説している。
経営戦略と研究開発、研究開発と製品開発のギャップに悩んでいる人にはとても参考になる一冊である。
目次
概論編(戦略計画と研究開発管理
研究開発プロジェクトの計画、選択及び評価法
情報の新しい体系化と戦力化
研究開発の進め方と考慮すべき要件)
新製品・新事業開発における実例編(『からだ巡茶』の開発における情報探索
Webリコメンデーション・エンジンを搭載した商品お勧めサイト『教えて!家電』の開発
ロボットの開発事例―感性と機能からのアプローチ
製品事故における企業組織内外コミュニケーションとマネジメント―M社、P社の一酸化炭素中毒事故を事例に)
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