マネジャーへの刺激のシャワー
嶋津 良智「あたりまえだけどなかなかできない 上司のルール」、明日香出版社(2006)
お奨め度:★★★★
このブログでは、このシリーズの本は過去に何冊か紹介している。
これらの本のよさは、半分くらいは、当然だと思うような項目(どんな類書を読んでも書いてあるようなこと)が挙げられているが、残りの半分くらいは非常に尖がった指摘がされていることだ。これが非常に役立つ。中には読んだ瞬間に「はっ!」とすることもあれば、「えっ?」と思うようなことも混じっている。ただし、書かれていることは、やってできないことではない。
この本はこの意外性の割合が非常に高い。例えば、
・究極の仕事は自分の仕事を無くすこと
・判断に迷ったら部下に聞け
・切り離すな、優先順位と時間管理
・心の中に第三者の目を持て
・真実の15秒(エレベータテストステートメント)
・マネジメントは不公平でいい
といったことが連なっている。非常によいことが書いてあるのだが、シリーズの他の本で書かれていることに較べると、実行が難しいことが多い。これは本質的に上司の仕事とというのは難しいことが多いからかもしれないし、ひょっとすると、難しいことが結構、並べて書かれているからかもしれない。
という意味で、シリーズの中ではちょっと変わった一冊だと思うが、間違いなく言えることは、「とてつもない刺激を受ける」ということだ。この点は保証する。また、時々、読んで、長時間かけて自分の成熟度の向上に取り組んでいくには、非常によい視点がたくさんある。この点も保証できる。
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