ダイバーシティーを活かしたチームマネジメント
上村有子「ITエンジニアのためのチームリーダーシップ実践講座」、ソフトバンククリエイティブ(2006)
お奨め度:★★★★
IT系のプロジェクトで、チームリーダーに必要なリーダーシップを分析し、そのリーダーシップをつけるための方法を示した一冊。ITに特化しているところがミソ。
この本が考えている基本的なスキルはファシリテーションとコーチングのスキルである。ファシリテーションスキルをどのように活かしていくかということが基本スタンスになっているが、その際に、ハーマンモデルを使ってメンバーのダイバーシティを活かす方法を提案しているのが興味深い。
ハーマンモデルでは、脳のどの領域が強いかで人間を4つのタイプに分けて、その適正を、HRMに活かそうとするものである。
ネッド・ハーマン(高梨智弘訳)「ハーマンモデル―個人と組織の価値創造力開発」、
東洋経済新報社(2006)
A タイプ(左大脳):エンジニア、化学者、財務、保険数理士、
B タイプ(辺縁系左):工場設備オペレータ、銀行窓口業務、記録係、経理、スーパーバイザー、
Cタイプ(辺縁系右):ソーシャルワーカー、研修、小学校の教員、看護婦、
Dタイプ(右大脳):芸術家、起業家、戦略、グラフィックデザイナー
リーダーが果たすべき役割)
2 リーダーの意向をメンバーに浸透させる(周囲に対して「わかりやすい人」になる
チームの目標を明らかにする
リーダーとして「自己を知る」
メンバーに指示を与える/仕事を評価する
ファシリテートスキルを身に付ける
チームの外の状況にも敏感になる)
3 メンバー間の意思疎通をよくする(メンバーの情報交換スキルを高める
メンバー間の共通言語を身に付ける
時間に対する共通認識を持つ
ライバル心をコントロールする
チームで成果を上げる
チームワークとは協力)
4 活性化を維持するために(互いの個性を尊重する
適材適所と分業、協業
各自がリーダーシップを発揮する
メンタリティを大切にする
公平さ、平等さ
チームの成長に合わせてリーダーシップを変える)
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