堀紘一流リーダーシップ開発論
堀紘一「実践的リーダーシップの鍛え方」、PMP研究所(2006)
お奨め度:★★★
堀紘一さんは尊敬するビジネスパーソンの一人だ。実務家としての顔を持っているためだと思うが、評論家のような大胆な発言をするにも関わらず、有言実行しているように見える。特に彼のリーダーシップ論は注目している。3年近く前に出版された
「リーダーシップの本質―真のリーダーシップとは何か」、ダイヤモンド社(2003)
が、本としてはどうかなと思いながらも、内容には非常に共感できたので、今回の書籍も早速購入して読んでみた。今回の著作は前著よりはよくまとまっている。堀氏率いるドリームインキュベータの考え方を使いながら、ご自身の考えるリーダー論を語られている。
ちなみに、ドリームインキュベータでは、5つの採用条件があるそうで、これがおおむね、堀氏の考えるリーダーの資質だと考えてよいのだと思う。
・地頭がよい
・学習能力がある
・素直かつ謙虚である
・好奇心が旺盛である
・攻撃力がある
共感できる。今回の本でもやはり、リーダーシップの育成についても書かれている。今回の本の中ではここが非常に実践的であり、ぜひ、多くの人に読んでほしい。
一例を挙げると
・人生の長期計画を立てる
・5つの自分
・異質の人と付き合う
などが並んでいる。どれを読んでもなるほどと納得できる内容である。
序章 真のリーダーが求められる時代(社長と会長のリーダーシップ
リーダー待望とリーダー受難のねじれ現象 ほか)
第1章 リーダーシップの根源(秘書からいわれた「リーダーの資格なし」
「社長」というより「兄貴分」の意識だった ほか)
第2章 人を育てる極意(なぜ大学生にリーダー論を説いたか
実学なくしてリーダーシップは学べない ほか)
第3章 「人間力」の磨き方(ベンチャーが成功するための三要素
「人間力」=「能力」+「人間的魅力」 ほか)
第4章 理想的な組織のつくり方(欧米と日本のリーダーに差がついた理由
欧米の経営者は「選抜されたエリート」 ほか)
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