超トヨタ式
村上豊「現場はもっと強くなる 超トヨタ式・チーム力最大化の技術」、幸福の科学出版(2006)
お奨め度:★★★1/2
デンソーの元工場長が書いたチーム力を引き出す技術の解説。見える化、5回のなぜ、現地現物、5Sなど、トヨタ方式を構成する有名な手法のデンソーでの実践方法の解説をかなり詳しく書いてある。
ビジネスの形態が変わり、トヨタに現場が少なくなり、本当のトヨタ方式がより有効に活用されているのはサプライヤーだという説がある。その中でも、「トヨタよりトヨタらしい」といわれているデンソーで、元工場長をしていた著者が書いた本だけに、知りたいところが随所に書いてある。「超・トヨタ」とタイトルされているが、確かに、そうかもしれないと思わせる部分も多い。
ちょっと話は変わるが、トヨタ方式を体系的にまとめた本としては、
が著名である。残念ながら日本人が書いたトヨタ本で、科学し、体系化していると感じられるものは皆無だった。この本は、珍しく科学されている。
構成はチーム力最大化のポイントということで16ポイントを上げ、それぞれ、何をしていたかを説明しているが、例えば、このひとつに
成長サイクルと成果サイクルを同時に回せ
ということで、その方法を書いている。トヨタ方式の基本は成長と成果の両立ということだが、その具体的なサイクルを明確にしたのは初めてだと思う。
そのような書き方であるので、非常に使いやすい書き方の本である。
目次
第一章 強い現場とは何か
第二章 強い現場の作り方
第三章 「ユートピア指数と自己実現力」の総合診断
第四章 超「トヨタ式」改善活動の実践ノウハウ
第五章 職場の「磁場」の整え方
第六章 成果をだすための心のマネジメント
第七章 職場ユートピア、リーダーの使命
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