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2006年7月25日 (火)

相手に正しく伝わらなければ問題は解決しない

490324103301 出口知史「論理思考の「壁」を破る」、ファーストプレス(2006)

お奨め度:★★★★

問題が発生した場合には、正しい結論を出したからといって、相手に伝わらなければ問題は解決しない。

効果的に相手に伝えるためには、相手の理解度、それまでの議論の経緯、過去の経緯を含めて総合的に判断し、論理を構成する必要がある。これが、本書の主張である。

この本ではまず、論理思考の方法を一通り解説している。その上で、論理思考の落とし穴を指摘している。その中で、ロジックの共有の重要性を説き、それが実現されないゆえの伝わらない3パターンとして

・結論押し付け

・思考停止

・視野狭窄

の3つを挙げている。

戦略マネジメント・戦略思考の普及により、論理的思考は当然の思考法になってきた。しかし、この本のように論理思考の使い方に一歩踏み込んだ実践的な本は珍しい。経営戦略の策定をするだけであればあまりこのような発想は必要ないかもしれないが、マネジャーとして現場で戦略を実行する立場にある人は、ぜひ、読んでおきたい一冊である。

目次

第1章 論理思考を身につける―Why?とSo What?を繰り返す「仮説思考」により、筋の良い結論を導き出す(仮説思考をロジックで深め、結論の質を高める
仮説思考の失敗要因
仮説思考の骨格 ほか)
第2章 論理思考だけでは十分ではない―論理思考だけでは通用しない相手と原因(論理思考の落とし穴―「自分として」正しく考えただけでは、議論は成立しない
正しいはずのロジックが伝わらない―前提条件が異なれば物事の見方も異なり、ロジックも変わる
「伝わらない?!」相手の3パターン―相手の性格や考え方の傾向、感情を汲み取る)
第3章 結論をうまく伝え、問題解決を実現させる―相手と状況を見て適切に伝えなければ、問題解決策は絵に画いた餅になる(結論から伝える論理構成―基本構造のピラミッド・ストラクチャー
情報・ファクトから伝える論理構成―状況に合わせた起承転結のストーリーをつくる
論理構成の応用パターン―単刀直入型と起承転結型を効果的に組み合わせる ほか)

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