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2006年7月26日 (水)

ベンチマーキングしよう

482011830701 高梨智弘「ベンチマーキング入門(新版ベンチマーキングとは何か)―ベストプラクティスの追求とナレッジマネジメントの実現」、生産性出版(2006)

お奨め度:★★★1/2

日本では非常に珍しいベンチマーキングについて、ナレッジマネジメントの大家である高梨氏が解説した本。1995年に「ベンチマーキングとは何か」という本としてかかれたものを大幅に改定し、作られた本である。

内容的には高梨氏の提案するベンチマーキングのプロセスと、ベンチマーキングの活用方法について詳細に解説された本である。また、ベンチマーキング実施のノウハウについてもかなり突っ込んで書かれている。

高梨氏の提案するベンチーマーキングプロセスは

 S(Strategy)

 P(Plan)

 D(Do)

 L(Learning)

 I(Innovation)

というサイクルで、15のステップからなるプロセスである。

また、最後に1章を割いて、ケーススタディをしている。ケーススタディは、ゼロックス、ソレクトロン、リッツカールトン、アームストロング、サウスウエスト、トーラスなど。

日本ではベンチマーキングというマネジメント手法はあまりなじまない手法である。徹底的に隠す多くの企業と、あけっぴろげな少数企業といった感じだ。少なくとも20年前まではプロセスという概念がなかったのだから、このようになるのはある意味で当たり前である。

ただ、次第に状況が変わってきた。プロセスという考え方が確立され、競争するプロセスと、競争のインフラとなるプロセスで、インフラプロセスでは積極的にベンチマーキングが行われるようになってきた。

実際に経営品質などの考え方にはベンチマークに応じられることが重要な要件になっている。

そんな状況を受けて、10年ぶりに改定された本書は10年前とは比べ物にならなくくらい、価値のある本になっている(内容も充実している)。プロセスマネジメントや、経営企画に関わる人はぜひ読んでおきたい一冊だ。

目次

第1章 経営の新しいパラダイムシフト
第2章 ベストプラクティスとベンチマーキング
第3章 プロセスのベンチマーキング
第4章 ベンチマーキングとさまざまな経営手法
第5章 ベンチマーキング実践のポイント
第6章 ケーススタディ

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