思い込みから抜け出そう
マリヨン・ロバートソン「なぜ「思い込み」から抜け出せないのか」、ファーストプレス(2006)
お奨め度:★★★★
日本人のビジネスの特性に言及し、「なぜ、アメリカ式の価値観の組織行動ができないか」についてエッセイ風に書いた本。
・スピードとリズム
・個とチーム(組織)
・コミュニケーションとリーダーシップ
の3つの視点から、それぞれ20程度の分析をしている。たとえば、スピードとリズムであれば
・どこかに所属していないと不安な日本人
・なぜ「セクシー」なチーム作りができないのか?
・大阪人のせっかち気質は国際ビジネスのテンポにあっている
といった感じ。個とチームでは
・内外の区別はあっても公私の区別があいまいな日本人
・テリトリアルで共同作業が苦手な日本企業
・日本の企業には本当に和があるのか
というような興味深いテーマが並んでいる。非常に深い話が気軽に読める。よい本である。
ちなみに、この本を読んでいると、なぜ、日本にはプロジェクトマネジメントが普及しにくいかがよく分かる。そんな読み方もあるだろう。
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目次
第1章 スピードとリズム(日本人のビジネス心理は「開かれた鎖国」
どこかに所属していないと不安な日本人
人材の流動化を必要以上に恐れていないか? ほか)
第2章 個とチーム(組織)(内外の区別はあっても、公私の区別があいまいな日本人
定年退職後も「身内」で群れるビジネスマンたち
会社の傘の下で「個」を失っていないか ほか)
第3章 コミュニケーションとリーダーシップ(近くで見えないものは遠くから見よ
まず相手を知ることがコミュニケーションの第一歩
売るのではなく「買わせる」やわらかな交渉術 ほか)
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