何だ?この会社
株式会社ライブドア「livedoor?何だ?この会社」、ライブドアパブリッシング(2005)
お奨め度:★★★★
いろいろと意見のある本だと思うが、一級のエスノグラフィー。
ライブドアの組織文化を書いた本。組織論のグルである、エドガー・シャインの説によると、組織文化には、シンボル、価値観、基本的仮定の3つのレベルがあるそうだ。
エドガー・シャイン(金井寿宏、片山佳代子、尾川丈一訳)「企業文化―生き残りの指針」、白桃書房(2004)
このライブドア本に書かれている主要なライブドアのフューチャーをこの区分に分けてみると
「即決・即断」:「検討します」はタブー(価値観)
「固定費削減」:机も椅子もただでもらう(シンボル)
「メールは1日5000通」:仕事はメールに集約する(基本的仮定)
「人材活用」:”伸びしろ”のある人間の付加を徹底的に高める(価値観)
「下克上人事」:年齢・経歴関係なし、稼ぐ人間がトップをとる(シンボル)
「3ヶ月査定」:3ヶ月ごとの成果に応じて、給料も激増・激減(シンボル)
「社長で稼ぐ」:社長をタダでは遊ばせない(価値観)
「福利厚生の充実」:最高7万円まで!半額支給の住宅補助(シンボル)
「ホリエモン」:売れている名前はとことん使う(基本的仮定)
といった感じになると思う。これを見ても、若い会社であることがわかる。ただ、これからの会社に必要な文化を構築しようとしていることは間違いない。
その意味で、エスノグラフィーの素材が面白く、非常に価値のある本である。
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