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2005年12月23日 (金)

勝ちぐせで組織は強くなる

449253206401lzzzzzzz 高野研一「勝ちぐせで組織は強くなる―戦略でなく、組織を差別化する」、東洋経済新報社(2005)

お奨め度:★★★★

成功は小さな成功の積み重ねであるとよく言われる。小さな成功が自信を生み、さらに大きな成功に結びつく。しかし、小さな成功を個人の力だけで達成するのは意外と難しい。

そこで、組織力ということになる。

この本では、戦略ではなく、組織力で勝ち残っている企業に焦点をあて、そこで起こっていることを分析している。その結果、組織力で個人の能力を初めとする、さまざまな限界を超えた成果を上げている企業が多いということがわかる。

つまり、優れた組織では

 ・空間的限界を超える(製薬業界)

 ・時間的限界を超える(IT業界、自動車業界など)

 ・個人の能力の限界を超える(IBMなど)

 ・気力の限界を超える(セブンイレブンなど)

の4つの限界を超えることを事例に基づいて議論している。さらに、そのような組織の作り方について説明し、25週間でそのような組織を作る方法を紹介している。

この議論の興味深い点は、持続的イノベーションに強い組織を作ることで、破壊的イノベーションに勝ち残ることができると主張している点。この議論は大変興味深い。

最近の経営の風潮では、戦略ではなく、組織とはなかなかいいにくい。そのように考えている人は少なくないと思うが、戦略病の中で、ある意味でタブーになっている。そのタブーを破り、まさに、日本に適した経営論といえる。

こういう本が堂々と出てくるようになったのは、やはり、現場ブームの影響だろうか?

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