プロ・サラリーマン
高橋忠之「プロ・サラリーマン―組織の中で人生目標を達成するための13か条」、致知出版社(2005)
お奨め度:★★★★
いろいろなプロフェッショナル論を読んできたが、組織の中に所属してプロフェッショナルを目指す論としては、傑出した本だと思う。
まず、著者の高橋 忠之氏について抜粋。
志摩観光ホテル元総支配人・総料理長。昭和16年三重県生まれ。32年中学校卒業後、志摩観光ホテルに料理人見習として入社。46年29歳で料理長となり、従来の洋食メニューを一掃、独自の料理を交えて本格的フランス料理をメニューに据える。伊勢志摩の海の幸だけを基本素材とする料理哲学と味に対する芸術家的姿勢により名声が高まる。のちに総料理長、総支配人に就任。平成13年退任。
というキャリアの方である。このキャリアが半端ではない。ホテル業界は縦割りの社会で、料理人のキャリアから、総支配人というジェネラルマネージャーに昇進するのは、異例のことらしい。製造業でいえば、工員で入社して、社長になったようなもの。
この本を読んで、縦に突き抜ける人事制度か、従来型の人事制度かという議論が空虚に思えた。 どっちでもよく、組織が必要とする人であれば、組織に影響を与えることができるのだろう。
ここで高橋氏が提唱しているプロ・サラリーマンとは、
スペシャリストの領域を持ちながら、同時に全体がわかるゼネラリスト
のこと。プロジェクトマネージャーはこうありたいものだ。タイトルになっている組織の中で人生目標を達成するための13か条(実践心得)とは
その1 リーダーには絶対服従
その2 仕事は雑用と思え
その3 伸びない三要素は「バカ・ケチ・キタナイ」
その4 大仕事でひと皮むける
その5 心のうちを未来指向型ストレスで満たす
その6 一日の設計図をつくる
その7 本代をケチらない
その8 波風を立てるのは新人の役目
その9 ライバルは要らない
その10 組織内の「いじめ」はいじめられる方に問題あり
その11 部長の席は「なりたい」人ほど遠のく
その12 会社のベクトルとずれた時-それまでの実績があなたを助ける
その13 姿勢に生きざまが出る
である。
この本の中でとてもいいなあと思ったのは、むしろ、この13か条よりも、覚悟
・「のめりこむ」覚悟
・「むなしさ」に耐える覚悟
・創造力とは「捨てる」覚悟
・「変わり続ける」覚悟
・「超一流」をめざす覚悟
・「美しさ」を求める覚悟
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目次
はじめに
第1章 プロ・サラリーマンの「職業観」
第2章 プロ・サラリーマンの「学ぶ技術」
第3章 プロ・サラリーマンの「実践心得」
第4章 プロの覚悟
おわりに
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