チームマネジメントの最強テキスト
リチャード・ハックマン(田中滋訳)「ハーバードで学ぶ「デキるチーム」5つの条件―チームリーダーの〈常識〉」、生産性出版(2005)
お奨め度:★★★★1/2
日本でチームがリアリティをもって受け入れられない理由は、おそらく、話は分かるが実際どうするんだという素朴な疑問だと思う。
僕がマネジメント3点セットと呼んでいるリーダーシップ、(マネジメント)コミュニケーション、チームの中で、本当にみんなが試行錯誤しているのはリーダーシップであるが、チームとコミュニケーションについては、欧米では、相当、具体的な手法に踏み込んで本がたくさんある。
その中で、チームに関する極上の一冊がこの本である(ちなみに、コミュニケーションに関しては、同じシリーズで出ている「ハーバードで学ぶマネジメント・コミュニケーション」だと思う)。
この本では、いきなり、クイズが出てくる。オハイオ州の小学4年生のために作られた学力測定テストの問題である。
問3 ひとつの仕事(例えば家の建築)に数名で取り組む場合、この仕事はおそらく
(1)1人でするよりも早く終わる
(2)1人でするよりも時間がかかる
(3)終わらない
という問題で、正解は(1)だそうである。そして、筆者はこれに首を傾げる。ここからこの本は始まる。
そして、
・チームのビジョンと方針
・チームの構造
・チームの制度
・チームに必要なコーチングの体制
という視点で、チーム作りのソリューションを提案している。さらに、この後、チームリーダーのあり方やものの考え方についても提案をしている。
この本を読んでみて、やっぱり、チームマネジメントなど必要ないと思えれば、それでいいと思う。そんな1冊である。
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