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2005年8月 7日 (日)

世界最強のファシリテーターが書いた本

4532312280ロジャー・シュワーツ(寺村真美、松浦良高訳)「ファシリテーター完全教本 最強のプロが教える理論・技術・実践のすべて」、日本経済新聞社(2005)

お奨め度:★★★★

米国の著名ファシリテータ ロジャー・シュワーツ博士のファシリテーションの教本。実践的であり、かつ、体系的。

ファシリテーションに興味を持つ人、ファシリテーションを実行したい人は必読!

この本が面白いのは、ファシリテーションの進め方の解説。ファシリテーションとか、コーチングなどを試みた経験のある人であればよくわかると思うが、心の声と、実際の行動(会話)のギャップをコントロールすることがひとつのポイント。つまり、どこまで、どのような表現で考えていることを言うかというところ。コミュニケーションの基本でもあるが、この本では、ケースの中で、この二つを比較しながら書いてあるものが結構あって、非常に参考になる。

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【プロジェクトマネージャー養成マガジンでの紹介】

プロジェクトマネジメントとはファシリテーションである。

プロジェクトマネジメントの研修の機会に、受講者の意見を聞くと、この意見が圧倒的に多い。実際に、プロジェクトでは、プロジェクトマネージャーの手出しのできない部分が多く、メンバーにゆだねるしかない一面がある。その際の唯一の武器がファシリテーションなのだ。

最近では、プロジェクトマネジメントならぬ、プロジェクトファシリテーションというような考え方も出てきており、今後、ますます、ファシリテーションの重要性は高まっていくと思われる。

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【この本の目次】

第1部 ファシリテーションの効果
第1章 <プロフェッショナル・ファシリテーター>アプローチと原則
 グループ・ファシリテーションの必要性
 グループ・ファシリテーションとは何か
 <プロフェッショナル・ファシリテーター>アプローチ
 ファシリテーションの経験
 <プロフェッショナル・ファシリテーター>アプローチを習得する
 まとめ

第2部 グループの現状分析
第2章 絶対に成功するファシリテーション理論
 ファシリテーションの課題
 2つのタイプの行動理論
 一方的コントロール・モデル
 相互学習モデル
 相互学習への移行:会話を変えるために考え方を変える
 本書を読みながら実行理論を反省する
 まとめ

第3章 高能力グループのための9つの基礎ルール
 基礎ルールを使う
 基礎ルール1:想定や推察を確認する
 基礎ルール2:すべての関係情報を共有する
 基礎ルール3:具体例をあげ、重要な言葉が何を意味しているのかについて合意しておく
 基礎ルール4:理由と意図を説明する
 基礎ルール5:「態度」ではなく「関心」に焦点を当てる
 基礎ルール6:提案と質問を組み合わせる
 基礎ルール7:次のステップと意見の相違を解消する方法を一緒に作る
 基礎ルール8:タブーを話し合う
 基礎ルール9:必要水準のコミットメントを生み出す意思決定プロセスを使う
 9つの基礎ルールを組み合わせて使う
 基礎ルールの使い方を習得する
 まとめ

第4章 グループ能力を高める言動と低める言動の分析
 現状分析―介入サイクル
 ステップ1:言動を観察する
 ステップ2:意味を推察する
 言動を分析するときの課題
 まとめ

第3部 グループへの介入
第5章 介入の判断
 介入のタイプ
 介入すべきかどうかを検討する
 介入の際に考慮しなければならないこと
 まとめ

第6章 介入の仕方
 現状分析―介入サイクルの介入ステップ
 専門用語を使わずに基礎ルールについて介入する
 まとめ

第7章 基礎ルールを使って介入する
 基礎ルールについて介入する
 想定や推察を確認する
 すべての関係情報を共有する
 具体例をあげ、重要な言葉が何を意味しているのかについて合意しておく
 理由と意図を説明する
 「態度」ではなくて「関心」に焦点を合わせる
 提案と質問を組み合わせる
 次のステップと意見の相違を解消する方法を一緒に作る
 タブーを話し合う
 必要水準のコミットメントを生み出す意思決定プロセスを使う
 まとめ

第8章 感情への対処法
 人はどのように感情を生むのか
 メンバーの感情表出の仕方
 ファシリテーター自身の感情をコントロールする
 介入の仕方を決める
 感情に関する介入
 グループがポジティブな感情を表出するのを手助けする
 メンバーがファシリテーターに腹を立てたとき
 ファシリテーターの経験から学ぶ
 まとめ

謝辞
訳者あとがき

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世界最強のファシリテーターが書いた本を参照しているブログ:

コメント

コメントありがとうございます。
よい本なので、たくさん、うれるといいですね。

この本の翻訳者の一人です。
レビューいただきまして、
まことにありがとうございます。

ご指摘のように「頭の中の推察と、実際の会話(介入)を右と左で分けて書いて解説している」のがこの本の特徴のひとつです。

私も最初に原書を読んだときに、この部分に感銘を受けました。非常によくできた原書をどこまでちゃんと訳せたかは自信がありませんが、それでもご覧になって下さったということで、大変恐縮しております。

取り急ぎ、御礼まで。

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