企業とは何か
P.F.ドラッカー(著), 上田 惇生 (翻訳) 「企業とは何か」、ダイヤモンド社(2005)
お奨め度:★★★1/2
ドラッカーが「マネジメントの発明をした」といわれる根拠になっている本である。1946年に原著が出版され、その後、1993年に復刊されている。この本は1993年版の翻訳。
内容については、触れないが、マネジメントの原型がここにある。企業やマネジメントの常識が書いてある。という言い方は正しくない。この本が下敷きになり、マネジメントや企業という概念ができたのだ。
その意味で、プロジェクトマネージャーのように、最先端のマネジメントの知識より、原理原則を知っておいた方がよい人たちにはお奨めできる。
おそらく読み手によって、そこから得られるものが違う本だろう。
さて、実はここからが言いたいこと。
ダイヤモンド社は非常によい本を取り上げ、翻訳し、日本に紹介している。その意味では敬意を表する。しかし、このような世界的名著を平気で絶版する。出版ビジネスのことはよく分からないが、読者として言えることは、その本を読む機会を永久になくすということだ。
ただ、最近はアマゾンを初めとして古本の販売体制が整ってきたので、比較的保存状態のよい本が手に入るようになった。つい先日も、
チームマネジメントの金字塔ともいえる
ジョン・R. カッツェンバック (著), ダグラス・K. スミス 「「高業績チーム」の知恵―企業を革新する自己実現型組織」、ダイヤモンド社(1994)
をアマゾンのユーズドで購入したが、新品同様だった。ただし、2900円の本が4700円もした。
本の価値の議論はさておき、後世に読み継がれる本は、売れなくても絶版(永久品切れ)してほしくないもんだ。
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