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コンセプチュアルスタイル考 Feed

2013年9月 9日 (月)

【コンセプチュアルスタイル考】第5話:創造的に意思決定する

Isikettei◆KT法

意思決定というとケプナー・トリゴー法(KT法)が一般的な方法だと言ってよいくらい、普及しています。手法の確立が偉人達の行動を取り込んでいるので、当たり前といえば当たり前ですが、その手法は以下のようなものです。

<ステップ1>目的と決定事項
 何のために何を決めたいのかを明らかにする。
<ステップ2>期待する成果=目標
 何を達成すれば決定事項が実現するのかを明らかにする。
<ステップ3>案の選択
 目標を実現するための案を複数挙げ、最適案を選ぶ。
<ステップ4>リスク対策
 最適案を実行する際のリスクを予測し、対策を用意する。
<ステップ5>実行
 選択案を実行に移し、初期の目標を達成する。

ステップの切り方や表現にはバラエティがありますが、どんな意思決定の手法も基本的にはこのステップを踏んでいると考えてもいいと思われます。


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2013年8月24日 (土)

【コンセプチュアルスタイル考】第4話:コンセプチュアルスキルによるコミュニケーション革新

Communication2◆コミュニケーションはヒューマンスキル?

ロバーツ・カッツの提唱するマネジャーに必要な3つのスキル、「コンセプチュアル・スキル」、「ヒューマン・スキル」、「テクニカル・スキル」の体系でいえば、多くの人はコミュニケーションの問題はヒューマンスキルの問題だと考えます。

確かに、コミュニケーションの取り方(聞き方、話し方、、、)はヒューマンスキルの中でも重要問題ですし、コミュニケーションの目的の一つである相手に影響を与え、動かすことはヒューマンスキルの問題ですので、ヒューマンスキルに大きく依存することは間違いありません。

ただ、コミュニケーションの目的の達成がヒューマンスキルだけでできるのでしょうか?というのが今回のテーマです。



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2013年8月19日 (月)

【コンセプチュアルスタイル考】第3話:創造的問題解決とコンセプチュアルスキル

Mondai1◆はじめに

前回はコンセプチュアルスキルについてイメージを掴んで戴くために、概念化するとはどういうことかについて考えてみました。今回はもう少しイメージを明確にするために、問題解決のケースを使って、コンセプチュアルスキルの役割について考えてみることにします。

【ケース】
京都で帆布製バックを製造販売しているA社は観光客を中心に人気があり、80%の売り上げが観光客だった。

ある日、社長が「わが社もインターネットに直販サイトを作り、京都に来たときに買ってくれる人以外にも広く商品を使って貰いたい」と言い出した。そこで営業マネジャーのMさんは異業種交流会の活動でよく知っているウェブデザインを手がけるS社の社長に相談した。しかし、S社の見積もりはA社で考えている予算の倍で、他を探しても予算内では納まらないと思うよと言われた。

途方にくれたMさんはいろいろと考えを巡らせ、結局のところ、社長は何をしたいんだろうと考えてみたところ、直販サイトは思い付きで、「A社のバッグを良さを知って、貰って観光客以外の人にもバックを売ること」だという結論に至った。さらに、Mさんは考えた。本当に観光客以外でなくてはならないのか?京都の観光客数を考えると、A社のバックを購入している観光客は2万人に1人にすぎない。まだまだ、開拓の余地がある。ならば、観光客にも売ればよいと考え、自分の解決すべき問題は「A社のバッグの良さを知って貰って売る仕組み作り」だと決めた。そう考えると、インターネット通販に拘る必要はないし、インターネットを使わないクチコミというのも考えられる。そんな想像をめぐらしているうちになんとかなりそうな気がしてきた。



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2013年7月11日 (木)

コンセプチュアルスキルを高めるための読書ガイド

Books3 PMstyleプロデューサーの好川哲人です。

コンセプチュアルスキルを高めたいと思っている人のための読書ガイドです。分野の設定は、PMstyleでやっているコンセプチュアルスキル講座を念頭に置いていますので、一般的に認知されているものではありません(っていうより一般的なカテゴリーはない)。

■は各分野で、好川が特にお勧めしたい本です。

1冊だけ読みたいという人は、この記事の最後をご覧ください。紹介する本は、新しい本もでると思いますし、古い本で新しく読むものもあると思うので、定期的に見直していこうと思います。

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2013年6月 6日 (木)

【コンセプチュアルスタイル考】第2話:概念化するとはどういうことか

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◆概念化と抽象化Concept

まず言葉の定義をしておきたいと思います。辞書を引くと、概念的と抽象的という2つの言葉は同じ意味のようで、微妙に違います。たとえば、「大辞泉」では概念的であることを

概念的:個別性を問わず、概括的・抽象的にとらえるさま

とあります。概念的という言葉の説明に抽象的という言葉が使われています。これは前回触れましたように、

「いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま」

と説明されています。

そこに、さらにキーワードとして概括的という言葉が使われています。概括というのは内容のあらましをまとめることです。もう少し、正確にいえば、「諸事物に共通する性質に着目して、それらの事物を一つの概念のもとに「統合」すること」です。

簡単にいえば概念化するというのは、抽象化したものをある概念に統合していくことです。詳しくは改めて議論したいと思いますが、統合するためには抽象化するだけではなく、抽象化したものを具体的に展開してみて、妥当性を検証するという具体と概念の行き来を繰り返し行いながら、収斂させていく必要があります。

そうはいいながら、概念化と抽象化の区別ははっきりしない場合の方が多いと思いますので、この連載の中ではここを細かく使い分けることはしませんが、一応、このような違いがあることを頭の片隅に残しておいてください。

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2013年4月22日 (月)

【コンセプチュアルスタイル考】第1話:コンセプチュアルスキルの時代

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Conceptual2 ◆抽象的であることは悪いこと?!

抽象的とか、概念的という言葉を辞書で調べてみると、

「いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま」

という本来の意味と同時に、

「頭の中だけで考えていて、具体性に欠けるさま」

という説明がのっています。何冊か辞書を調べてみましたが、二番目の説明は必ず乗っいます。これだとまだ、客観的な表現だといえなくもないですが、インターネット辞書には、「事物を観念によって一面的にとらえ、実際の有り様から遠ざかっているさま」といった説明をしているものもありました。この表現は明らかに好ましくないと言っていますね。

観念というのは一般には(具体的)事実に基づかないことを意味しますし、一面的という言葉も抽象的であることとは無関係な言葉です。従って、説明としてもおかしいわけですが、日本人は、概念的であることを好ましくないこととしてとらえます。企業でキャリアの浅い人たちと話をしていると、一番目の意味より、二番目の意味の方が浸透しているのではないかと思うことすらあります。

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