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◆MBOの限界
この数年、Googleやfacebookなど、シリコンバレーの成長企業が取り入れていることで話題になっている「OKR」について調べる機会があって、ウェブと調べたり、何冊か本を読んだりした。今回のPMスタイル考は、OKRの目的と目標、そしてパーパスとの関係について考えてみたい。
OKRとは、
Objectives and Key Results
の略称で、新しい目標管理の方法と位置付けられている。目標管理というとMBOと呼ばれるものが広く普及しており、大手企業であれば導入している企業が多い。MBOは、Management By Objectiveの略で、共通の目的を達成するための仕組みで、従業員が自律的に目標を設定することを基本としている。
しかし、実際にはあまりうまく行っていないケースが多い。
典型的なケースは、以下のように目標が形骸化しているケースだ。部下は期の初めに、その場しのぎの目標を立てる。上司は多くの部下の目標をみる必要があるので、精査せずに承認する。こういう設定をするので、目標の内容が曖昧だったり、不適切だったりする。半期が過ぎて人事評価としてフィードバックの要請があり、上司は部下の目標を覚えていないし、部下も目標設定したときとは状況が変わっており、目標が現実に合っていないことに気がつくというものだ。
MBOのObjectiveは目標であり、MBOを直訳すると、目標によるマネジメントということになる。実際、MBOの制度は目標によるマネジメントを目指しているわけだが、現実は形骸化をはじめとして、うまく行っていないケースが多い。なぜだろうか。