2011年1月~3月のPMstyleは以下のセミナーの開催を予定しています。
【1月】
19(水) 課題発見力・問題解決力強化講座(プロジェクトリーダーのためのコンセプチャルスキル講座)
21(金) PMBOK(R)とチームファシリテーションの融合
24(月)~25(火) プロジェクトの実行・計画とそのポイント
【2月】
16日(水) プロジェクトリーダーのための計画力講座(プロジェクトリーダーのためのコンセプチャルスキル講座)
17日(木) もしドラッカーがプロジェクトマネジャーだったら
【3月】
3(木) プロジェクトリーダーのための意志決定力講座(プロジェクトリーダーのためのコンセプチャルスキル講座)
4日(金) ワールドカフェ活用講座
10日(木) もしドラッカーがプロジェクトスポンサーだったら
どんなプロジェクトでも、プロジェクトを実施する目的は2つあります。
一つはプロジェクトに対して要求されていることを実現することです。もう一つは、自分たちの会社をよくすることに貢献することです。
ところが、プロジェクトマネジャーの方やプロジェクトスポンサーの方にこのような話をすると、
「プロジェクトの予算や納期はぎりぎりで、とても言われていないことをやっている余裕はない」
「後者は別途、経営革新プログラムを起こして、日常業務とは分けて取り組むべきだ」
という答えが返ってきます。
ちょっと待って下さい。それはそうかもしれませんが、今の状態をそのまま続けていても展望が開けないことも事実ですし、経営革新も成果が出るのは業務の現場です。そして、それを怠った罰は今のトップではなく、みなさんの将来に降りかかってきます。
そのように考えると、プロジェクトマネジャーの方やプロジェクトスポンサーは、今、将来の自分たちのビジョンや戦略を描き、将来に向けて成果を上げて行くために、
プロジェクトは、変革の「機会」
その機会を使って、自社をよくする活動をしていく
と意識を変えていくことが必要です。
ただし、意識を変えてみても、「プロジェクトの予算や納期はぎりぎり」という現実が変わるわけではありません。そこで、そのような現実の中で、要求されたことに加えて、自分たちの会社をよくする取り組みをするには、
要求をこなした上で、自発的な取り組みをする
ではなく、
要求と自発を組み合わせて、要求に応える
という思考規範が求められます。そのような思考規範として非常に有用だと思われるのが、堀内さんの提唱される「クリエイティブ・チョイス」です。
一見すると、クリエイトすることとチョイスすることは相反するものです。クリエイティブとチョイスを両立させる中にこそ、要求に応えることと自発的な取り組みを行うことという相反するものを両立させる秘密があります。
ぜひ、堀内さんのセミナーで、要求と自発の両立のこつを身につけてください。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆クリエイティブチョイス ◆6PDU's
日時:2010年09月17日(金) 10:00-17:00(9:40受付開始)
場所:ヴィラフォンテーヌ汐留(東京都港区)
講師:堀内浩二(ほりうち こうじ)株式会社アーキット代表
詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/choice.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【内容】
・ なぜ「クリエイティブ」チョイスなのか
・ 乗り越えたい問題を定義する
・ 目的(の目的)から考えおろす
・ 感情の役割について考える
・ 仲間に問題を説明する
・ 問題の再定義セッションを実施する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆プロジェクトマネジメントで変わったもの、変わらないもの
プロジェクトマネジメントが日本で注目されるようになってきたのは、21世紀になってからですが、それでもかれこれ、10年近くになります。この間に変わってきたものと、相変わらず変わっていないものを一つずつあげるとすれば、みなさんは何を取り上げられますか?
変わってきたものは仕事のスタイルです。
・計画をたてて仕事をする
・進捗を管理しながら仕事をする
というワークスタイルは定着してきましたし、定着したと言えるかどうかは微妙ですが、
・ドキュメントによるコミュニケーションを行う
というスタイルもかなり浸透してきたようです。
これに対して、あまり変化がないと思うのは、「責任」を明確にして、責任を果たしながら仕事をするという点です。
この議論はプロジェクトマネジメントの前提とする組織観と、日本流の組織観の根本的な違いがあり、相当に難しい問題です。
◆前回の宿題
前回、論理の基本の話をした。そして、最後に、以下の例
Aプロジェクトでは納期遵守は重要である。だから、要員を投入しよう
Bプロジェクトでは納期遵守は重要である。だから、要員を投入するのはやめよう
を示し、なぜ、同じメッセージから、どうしてこんな矛盾した結論がでてくるのかを宿題とした。どのくらいの方が気づかれただろうか?
◆プロジェクトKSF
ちょっと機会があって、プロジェクトの成功要因(KSF)の研究について調べています。プロジェクトの成功はプロジェクトマネジメントの成功と異なり、ある意味での歴史的検証が必要です。たとえば、商品開発のプロジェクトで、スケジュール内、予算内で商品を開発したとしても即座にプロジェクトは成功だったとはいえません。ITのプロジェクトで、スケジュール内、予算内で顧客の要望するシステムを作っても成功だとはいえません。商品であれば売れるかどうかが問題であり、システムであればそのシステムがライフサイクルを終えるときに満足しているかどうかが問題だからです。
もっといえば、プロジェクト終了から10年くらいたった後で、そのプロジェクトの実施にどのような意味があったが問題になります。実は、この問題は、ピーター・センゲ博士が、「学習する組織」の中で、大きな問題だと指摘している問題で、結構、根の深い問題でもあります。
調べた範囲でいえば、プロジェクトの成功要因として出てくるのは
(1)ステークホルダとの良好なコミュニケーション関係の構築
(2)プロジェクトチームやプロジェクトマネジャーの問題解決能力
の2つに加えて、もう一つあります。なんだかおわかりでしょうか?
(3)プロジェクトの明確な定義がされていること
です。
◆品質マネジメントからプロジェクトマネジメントへ
ライフサイクルマネジメントがビジネスの鍵を握るケースが増えてきた。
「Made in Japan」が高品質の代名詞だった時代には、生産開始までに設計品質を完璧にし、かつ、生産における品質改善を繰り返し、考えられる範囲で最高の品質の商品を出荷してきた。品質マネジメントを源泉とし、品質を競争力とする「ものづくり」である。そして、ものづくりは、ハードだけではなく、ソフトにも適用されてきた。
そのような中で、顧客のニーズが多様化し始めた。そのため、商品ロットが小さくなり、また、売れる期間(寿命)が短くなってきた。商品が競争力を持つには、顧客の要求に細やかに答えると同時に、商品を投入するタイミングや開発コストをコントロールする必要が生じた。そこで、注目されたのが、プロジェクトマネジメントである。
プロジェクトマネジメントは、ものづくりを製品の品質や原価をコントロールするだけではなく、プロジェクトの商品といわれる顧客要求への対応、納期やプロジェクトコストまでコントロールするために重要な役割を果たすようになってきている。
◆与えられた仕事を行う理由を徹底的に考えて下さい
もう20年以上前の話になりますが、大学を卒業して三菱重工業という機械メーカに入社したときに入所式でこんなことを言われた方がいらっしゃいました。
上司から仕事を命じられたら、なぜその仕事をやらなくてはならないのかを徹底的に考えて下さい。分からなければ命じた上司に聞いてください。理解してから取りかかってください。理解するのに時間がかかっても構いません。結局それが近道になります。そして、理解できたら、その仕事を通じて自分として達成したい課題を一つ必ず見つけて取り組んでください。その課題が本来やらなくてはならない仕事の中にあるようなら、我が社の将来はありません。
実は三菱重工にいたときにはなんとも思わなかったのですが、その後、コンサルタントとして独立し、いろいろな会社をみているうちに、如何にすごいことを言っているかが理解できるようになってきました。多くの企業では、「そんな余計なことを考えなくてよい、言われたことを如何に高い品質で実現するかだけを考えろ」と指導されていたのです。