PMstyle 2025年9月~12月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2011年11月21日 (月)

【お知らせ】PM養成マガジン1000号感謝イベント

1000PM養成マガジン編集長の好川哲人です。こんにちは。

お かげさまをもちまして、PM養成マガジンでは、11月8日に通算1000号を発行できました。また、来年には、10周年を迎えます。メルマガはすぐに刊行 できますが、読者がいなければメルマガにはなりません。これだけ継続できたのは、ひとえに読者の方のおかげです。ありがとうございました。これからもよろ しくお願いいたします。

1000号を機に、活動を見直すべく、アンケートを行い、振り返りと今後の方向性について、いくつかの記事を書きましたが、それについてはメールの末尾にリストを載せています。

1001号より新たな気持ちで、メルマガを発行しようと思っています。

1000号までは

「プロフェッショナルとしてのプロジェクトマネジャー」

をグランドテーマにして活動をしてきました。初期のころに行っていた読者セミナーの多くは、プロフェッショナルをテーマにしたり、意識したりしていました。

節目の1000号を迎えるにあたって、読者の声も参考にいろいろと考えました。

結論として、1001号からは

「リーダーとしてのプロジェクトマネジャー」

をグランドテーマにしたいと思っています。

ご 承知のようにリーダーは職位には関係のない概念で、経営トップもリーダーですし、現場の2人チームを引っ張っている人もリーダーです。リーダーといって も、役割も期待も異なるわけです。もちろん、プロジェクトマネジャーにもリーダーシップが重要だという認識は年々高まってきています。

では、プロジェクトマネジャーは、どのようなリーダーであることを求められているのでしょうか?これが1001号から議論したいことです。

まず、このテーマについて最初にみなさんと議論をしてみたいと考え、読者セミナーを開催することにしました。多くの方の参加をお待ちしています。

実 は、プロフェッショナルからリーダーへというのは、好川の経験でもあります。現場の仕切り役としては、経験も自信も持っていたところに任されたあるプロ ジェクトは、それまでとテーマへの近さも、ステークホルダも違うものでした。しばらくして、今までのやり方では駄目だと気づき、発想をがらりと変えてプロ ジェクトを成功に導いたことがあります。

この経験を通じて、学んだプロジェクトマネジャーのあり方をお話し、そのあと、全員で「リーダーとしてのプロジェクトマネジャー」というテーマで、ダイアログを行いたいと思っています。

また、終了後、忘年会と1000号記念を兼ねた懇親会を行いたいと思っています。こちらも奮ってご参加ください。


━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【PM養成マガジン1000号記念セミナー:プレ10周年イベント】
リーダーとしてのプロジェクトマネジャー~プロジェクトマネジメント再入門
日時:2011年12月10日(土)  14:00-17:00(13:30受付開始) 
場所:ヴィラフォンテーヌ汐留(東京都港区)
講師:好川哲人(PM養成マガジン編集長)
詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/pm_magazine1000.htm
主催 PM養成マガジン(運営:PMstyle)
PDUの発行について:ご相談ください。
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【カリキュラム】
1.リーダーシップとマネジメント
2.プロジェクトリーダーとはどのような存在か
3.プロジェクトリーダーにとってのプロジェクトマネジメント
4.プロジェクトリーダーに必要なプロジェクトマネジメントスキル
5.ダイアログ
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【関連ブログ記事】

【PM養成マガジン:1000号】
<特別編集>リーダーとしてのプロジェクトマネジャー

【PM養成マガジン:999号】
<特別編集>41人の方のアイデアを携え、新たな旅に出る

【PM養成マガジン:998号】
<特別編集>1000号への旅を振り返る

ブログ、SNS、メールマガジンのフォーメーション

「プロジェクトの補助線」ブログの位置づけの見直しと過去の記事の整理

【報告】PM養成マガジン1000号アンケート(PM養成マガジンに関する質問編)

【PMスタイル考】第28話:ドラッカースタイル~イノベーション編

Style◆ドラッカーの思考体系

今回は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際の7つの視点

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

のうち、これまで1番目から5番目について説明してきた。今回6番目のイノベーションについてである。

◆イノベーションはあらゆる局面で行われる

長い間、日本企業はイノベーションに対して崇高なイメージを持っていたが、この2~3年、急速に認識が変わってきた。そのきっかけになったのがドラッカーの「現代の経営」にある

イノベーションは事業のあらゆる局面で行われる。設計、製品、マーケティングのイノベーションがある。価格や顧客サービスのイノベーションがある。マネジメントの組織や手法のイノベーションがある(現代の経営)

という指摘である。

日本人がイノベーションという言葉に対して特別なイメージを持っていたのは、おそらく改善との対比である。多くの人がイノベーションと改善は違うと主張してきた。日本語でいえば、イノベーションは「革新」、つまり、新しくすることであり、改善は善くすることである。

この背景にあるのが、連続性である。イノベーションとは不連続な変化であり、改善は連続な変化であるという思い込みがあった。

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2011年11月11日 (金)

【PMスタイル考】第27話:ドラッカースタイル~プロジェクト品質編

Style◆ドラッカーの思考体系

今回は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際の7つの視点

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

のうち、これまで1番目から4番目について説明してきた。今回5番目のプロジェクト品質についてである。


◆ドラッカーのマネジメント思考

品質管理も難しいが、プロジェクト品質を実現するのはもっと難しい。マネジメントの結果がプロジェクト品質だからだ。

ドラッカーの思考は、すべてマネジメントに通じるものである。その意味で、マネジメントについて何を中心に考えていくかは難しく、実際にドラッカーの信奉者においても意見の分かれるところだと思う。よく知られている思考だけをピックアップしてみても、

・強みを発揮させ、弱みを無意味にする
・目的を問うことが生産性を高める
・考える組織を作る
・成果に焦点を合わせる
・・・

といった考え方が並ぶ。まさに、「マネジメントに正解はない」というのを実感されるだけ、いろいろな切り口があることが分かる。

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【PMスタイル考】第26話:ドラッカースタイル~チーム編

Style◆ドラッカーの思考体系

今回は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際の7つの視点

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

のうち、これまで1番目から3番目について説明してきた。今回は4番目のチームについてである。


◆貢献がチームワークを可能にする

まず、ドラッカーのチームマネジメントには大きな前提がある。それは、

組織はもはや権力によっては成立しない。信頼によって成立する。信頼とは好き嫌いではない。信じ合うことである。そのためには、たがいに理解しなければならない。たがいの関係について、たがいに責任をもたなければならない。(明日を支配するもの)

という前提である。そして、たがいに理解し、たがいに責任をもつには、計画のところでも出てきた「貢献」が重要である。貢献についてドラッカーは以下の様にのべている。

果たすべき貢献を考えることによって、横へのコミュニケーションが可能になり、チームワークが可能になる。自らの生む出すものが成果に結びつくには誰にそれを利用してもらうべきかとの問いが、命令系統の上でも下でもない人たちの大切さを浮き彫りにする(経営者の条件)

つまり、「貢献を考えることがコミュニケーションを活性化し、チームワークを可能にする」と指摘している。この感覚はいろいろな意味でおもしろい。組織や社会における貢献はすべからくそうだといえなくもない。例えば、以下の2つの問いについて考えて見て欲しい。

あなたが依存しているのは誰か
あなたが影響を与えているのは誰か

この問いについて深く考えていくと、貢献により初めてチームワークが可能になることが容易に分かる。このことはドラッカーの指摘するとおり、命令系統とはまったく別のものである。つまり、チームなのだ。チームにおいては、チームリーダーも果たすべき貢献を考える。それは強力なリーダーシップであることもあれば、サーバントリーダーシップであることもあるだろう。

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2011年11月10日 (木)

【PMスタイル考】第25話:ドラッカースタイル~計画編

Style◆ドラッカーの思考体系

今回は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際の7つの視点

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

の2番目、「価値をもたらす計画をたてる」について考える。

◆計画とは

計画とは目標とその目標の達成手段である。

プロジェクトの計画の策定が難しいのは、「適切」な目標を設定することが難しいためである。たとえば、スコープとスケジュールとコストの目標をバランスよく設定するのは至難の業であると同時に、プロジェクトマネジャーの力量が力量を発揮できる局面でもある。しかし、残念ながら多くの組織では「制約条件」という形で「目標」を与えており、プロジェクトマネジャーが目標設定において力量を発揮することは少ない。

このような風潮は一考の余地がある。制約条件は最低の制約条件であって、より上位(経営上)の制約や顧客からの制約に対してぎりぎりの条件である必要はない。むしろ、そのような制約条件がプロジェクトに与えられているとすれば、プロジェクトスポンサー失格の烙印を押されてもおかしくない。

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【一期一会】プロジェクトリーダーのための戦略力講座

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【狙い】プロジェクトリーダーとしての戦略力を身につけ、プロジェクトの局面で発揮できるようになる

【対象者】プロジェクトマネジャー、プロジェクトスポンサー

【効果】戦略思考について理解するとともに、プロジェクトにおける戦略思考に必要な思考ツールの使い方を身につける
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__《 このセミナーの効用は 》___________

知識を得る   ★★★★
実行力を高める ★★★★
思考力を高める ★★★★★


__《 このセミナーへのイントロ 》___________

企業においてプロジェクトは戦略の実行手段です。そして、戦略の実行は、上から具体的にこうしなさいという類のものではなく、すべてのプロジェクトリーダーは、戦略を解釈し、戦略をプロジェクトに反映していくことが求められます。

これだけでもプロジェクトリーダーは戦略力が必要として十分なのですが、それ以外でも戦略力が重要な局面は数多くあります。

代表的な局面の一つは、計画です。計画は戦略的に策定する必要があります。戦略的に計画を策定するとは、プロジェクトの目的や目標を十分に絞り込み、その目標が達成できることが裏打ちされた計画を作ることです。目標を達成する計画を作ることはそんなに難しいことではありませんが、プロジェクトには、多くの制約条件があります。制約条件をクリアできる計画を作るには、目標達成の方法よりは、目標設定そのものを戦略的に考える必要があります。つまり、目的を実現することと制約をクリアすることのバランスを考えた上で、十分に考えた目標の設定をする必要があります。

また、プロジェクトの実行においても戦略力は不可欠です。いくら考え抜いた計画でも、プロジェクトは必ず計画通りに実行できるとは限りません。それは前提条件が変わったり、あるいは設定した前提条件が間違っていたりするためです。

プロジェクトが計画通りに進まない場合、もっとも重要なのは戦略的な判断です。たとえば、スケジュールが遅れてきたとします。逆に目先のスケジュールの回復だけしか考えないと、だんだん、状況を悪化させることになりかねません。

目先のスケジュールなどの問題解決だけに集中するのではなく、目的に立ち返り、このあとをどのように進めていくかを判断することが求められます。これが戦略的な判断です。

このように戦略力というコンセプチュアルスキルは、不確実性の中で仕事をしているプロジェクトマネジャーにとって不可欠なものです。

 

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2011年11月 7日 (月)

ブログ、SNS、メールマガジンのフォーメーション

現在、有限会社エム・アンド・ティが運用しているメルマガやSNSには、以下の6つがあります。

(1)PM養成マガジン(PMのメルマガ)

(2)戦略実行プロフェショナル(MBPのメルマガ)

(3)PMstyle+(PMstyle会員向けメルマガ)

(4)PMstyle Mail(PMstyleメール会員向けメルマガ)

(5)PMstyle_tw(PMstyle公式Twitterアカウント)

(6)PMstyle facebookページ(PMstyle公式facebookページ)


位置づけは、それぞれ右の()内に書いてあるとおりです。

PM養成マガジンの1000号発行を契機に、「プロジェクトの補助線ブログ」の位置づけを変更したのは、すでにお知らせしたとおりですが、各メディアの間の関係の見直しもしました。

メ ルマガの未着は以前より問題になっていましたが、1000号の調査で、Twitterやfacebookなど、SNS系へのアクセスができない企業が思っ たより多く、つまるところ、どれかのメディアにアクセスしていれば、おおよそ、すべての情報が入手できるようにするしかないという結論に至りました。

ただ、このようなやり方をするのは、パーミッションが希薄(曖昧)になり、スパムだと感じる人が増えると思われますのであまり良いとは思えません。

そこで、この機に、メルマガの発行を個人の活動の支援するという発刊の理念に立ち返ることにしました。つまり

(1)個人のメールアドレス
(2)個人のネットアクセス環境

の2つがあることを前提にして、考えることにしました。つまり、プライベートにメルマガを受けているということです。

お そらく、このメルマガを始めたころと比べると、このような前提は現実的というか、実現されているといってもよい状況になっていると思います。ドコモの調査 によると、次の携帯はスマートフォンと考えている人が80%を超えているそうです。携帯電話端末の平均使用年数3~4年ですので、早晩、ほとんどの人がス マートフォンでフリーのアドレスでインターネットにアクセスする日が来ると思われます。

このように考えて、ベストだと思われるのが下のような体系です。




Formation

 

おそらく、今より利便性が悪くなる人はいないと思って描いた図ですが、もし、不都合になったいう方がいらっしゃれば、ぜひ、PMstyle事務局までご一報ください。対応を一緒に考えさせて戴こうと思います。

お問い合わせ先:PMstyle事務局
営業時間:月~金 10:00~18:00(年末年始、土日祝日を除く)
電話:03-5537-7599
Eメール  こちらをクリックしてください

【PMスタイル考】第24話:ドラッカースタイル~顧客編

Style◆ドラッカーの思考体系

今回は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際の7つの視点

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

の3番目、「顧客を中心に考える」を考える。

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2011年10月31日 (月)

【一期一会】シンプルプロジェクトマネジメント

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【狙い】小規模で柔軟な計画の変更が求められるイノベーティブなプロジェクトに対して、適切なプロジェクトマネジメントができるようになる。

【対象者】プロジェクトマネジャー

【効果】シンプルプロジェクトマネジメントの考え方を理解し、具体的な方法を知ると同時に、1枚のスプレッドシートでマネジメントを実践する具体的な方法が分かる。
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__《 このセミナーの効用は 》___________

知識を得る   ★★★
実行力を高める ★★★★★
思考力を高める ★★★


__《 このセミナーへのイントロ 》___________

PMBOK(R)の普及と内部統制の普及が相俟って、プロジェクトマネジメントはだんだん、重厚長大なものになってきているような印象があります。PMBOK自体が、1996年の初版から3回の改定を重ねて、倍以上の分量になっています。プログラムマネジメントが分離されていることを考えると3倍以上といってもよいでしょう。

ITに代表される生産を目的とするプロジェクトにおいては、失敗を防ぐために、失敗を教訓に予防策を講じていく必要があり、マネジメント体系が膨大かつ、複雑なものになるのはある意味で仕方ないことだと言えます。

一方で、失敗しないことを重視しないプロジェクトもあります。失敗してはならないと考えるのは、成功する(無事、終了する)ことを「前提」とするからですが、成功することを「前提としない」プロジェクトもあるわけです。もちろん、失敗したいと思ってプロジェクトをやるわけではありません。失敗する確率の方が高いが、やらなくてはならないプロジェクトです。

その代表は、イノベーションを目的にしたプロジェクトです。商品開発、技術開発、組織変革、ビジネスモデル開発など、さまざまなものがあります。これらのプロジェクトの特徴は、どうすれば成功できるかわからないことです。

失敗しないためにプロジェクトマネジメントを行うという場合、どうすれば成功するかが分かっていて、プロジェクトマネジメントでできるだけそのような進め方ができるようにします。つまり、成功する方法を計画として作って、その計画通りに進めていくわけです。

ところが、成功を前提にしないプロジェクトではどうすれば成功するかわかりませんので、そこで策定される計画も「仮説」に過ぎないわけです。つまり、こうすればうまくいくのではないかという仮説(計画)を立て、仮説(計画)を検証し、修正しながら、プロジェクトを進めていくことがプロジェクトマネジメントの役割です。このような役割を果たすマネジメントとしてシンプルプロジェクトマネジメントがあります。シンプルプロジェクトマネジメントでは、方向性(プロジェクトの目的・目標)とタスクの関係を見定めながら、時間とコストの制約の範囲で各タスクのオーナーがドライブしていきます。

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2011年10月25日 (火)

【PMスタイル考】第23話:ドラッカースタイル~成果編

Style◆ドラッカーの思考体系

前回述べたように、著者は、ドラッカー思考の体系をプロジェクトマネジメントに適用する際に、

1.成果を上げる(成果を大きくするドラッカー思考)
2.価値をもたらす計画をたてる(戦略と計画に関するドラッカー思考)
3.顧客を中心に考える(顧客に関するドラッカー思考)
4.チームを動かす(チームのパフォーマンスを高めるドラッカー思考)
5.マネジメントを極める(プロジェクト品質を向上させるドラッカー思考)
6.イノベーションを実現する(技術を有効に活用するためのドラッカー思考)
7.プロフェッショナルになる(自己成長のためのドラッカー思考)

の7つに分けて考えている。

今回から何回かに分けて、ドラッカー思考をプロジェクトマネジメントに適用していくとどうなるかを考えて見よう。今回はまず一番目の成果についてである。

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