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2015年10月 2日 (金)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(8)】 プロジェクトではなぜ、コンセプチュアルスキルの開発が必要なのか

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Project3先日、ある方から「好川さんはPMの人だと思っていましたが、なぜそこまでコンセプチュアルスキルに拘られるのですか」と聞かれました。今回のコラムはこの話をしたいと思います。


◆ライン型組織は自然に回る

実は、一般的な組織形態(いわゆるライン型組織)においては、コンセプチュアルスキルの開発がそこまで大切だとは思っていません。技術系のスキル(テクニカルスキル)と較べると、コンセプチュアルスキルは人による差が大きいものです。

はっきりいえば、テクニカルスキルであれば一定のトレーニングで最低限のスキルを身につけることができる人は7割~8割くらいだと思いますが、コンセプチュアルスキルだと3~4割ではないかと思っています。最低レベルというのは監督職であれば何とか仕事をしていけるレベルで、課長になったら少し苦しいと思います。

ただそれでも問題はないのです。キャリアの中の機会を利用して高いコンセプチュアルスキルを身につけている人が10人に1人くらいおり、、おそらく、部長まで昇進する人というはそれ以下の比率ですので、構図としてはコンセプチュアルスキルが高い人が昇進するような形になっているからです。

会社によって全体のレベルにはかなりの差はありますが、どんな会社でもその中で部長と(部長になっていない)課長を比べると、コンセプチュアルスキルの差は歴然としているものです。

もちろん、コンセプチュアルスキルが高いから部長に昇進できるわけではありません。実績を上げた人が昇進しているわけですが、課長で成果を上げるにはコンセプチュアルスキルが重要だからこういう構図ができているのだと思います。

簡単にいえば、需要と供給のバランスが取れているわけです(ただし、組織に構成バランスが悪く、管理職にテクニカルスキルを求めざるを得ない組織では、うまくいっていない)。

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【PMスタイル考】第105話:スキルアプローチ考~マネジャーはスキルで評価されるべきか、人で評価されるべきか?

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Skill

◆ロバーツ・カッツが示したスキルアプローチ

ロバート・カッツのコンセプチュアルスキルについて書いた有名は論文のタイトルをご存知でしょうか?

「スキル・アプローチによる優秀な管理者への道」 Harvard Business Review(1955)

という論文です。ここでスキルアプローチという言葉が出てきます。今回のコラムはこの話をしたいと思います。

この論文のリードに以下のように書かれています。

優秀なマネジャーとは、どのような人かではなく、何ができるかによって判定することが求められる

今、考えるとさほど違和感はないと思いますが、もう60年前のことですから、かなり、画期的な主張であったことが分かると思います。マネジャーは何かができるより、まず人物だと考えられていた時代です。

ただし、部長や事業部長になっても、業務スキル(テクニカルスキル)が役に立つわけではありません。何か別のスキルが必要だと考えて、発見したのがコンセプチュアルスキルだというわけです。

言い換えると、テクニカルスキル、ヒューマンスキルだけだったスキルにコンセプチュアルスキルを加えて初めてスキルアプローチが成り立つといってもよいでしょう。

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2015年9月25日 (金)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(7)】新しいコンセプチュアルスキルを求めて

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◆すべての仕事でコンセプチュアルスキルが必要になる

ローバト・カッツの研究はマネジャーのスキルについての研究だったわけですが、担当者には本当にコンセプチュアルスキルは要らないのかという疑問があります。今回の気まぐれコラムはこの話題を。

Conceptual_skill

著者の答えは否です。おそらく、PMstyleが定義しているようなコンセプチュアルスキルは、担当者も含めたどのレイヤーでも必要になってくるものだと思われます。

たとえば、エンジニアであれば、設計というのはとても概念的な仕事です。自動化された生産ラインにおいても、実際に生産担当者がやっている仕事はほとんどがコンセプチュアルワークだと思われます。

とくにこれからは人工知能とロボットが普及してきて、人間が行う仕事はほとんどコンセプチュアルワークという時代になるのではないかと思われます。

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2015年9月10日 (木)

【コンセプチュアルスキル講座】2015年下期のコンセプチュアルスキル講座

2015年下期のコンセプチュアルスキル講座マップです。

「コンセプチュアルスキル入門」、「コンセプチュアル思考」など、いくつかのセミナーの難易度を落とし、より多くの方に対応して戴けるようになりました。

Sindanseminar_4

2015年9月 9日 (水)

【PMstyle Proposition:006】あなたならどう伝えますか?

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                                 あなたならどう伝えますか?       
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ビバリーヒルズ高校のピーターズ校長は今朝、職員の研修旅行を決めた。来週木曜、職員全員でサクラメントに行き、新たな教育メソッドに関する会議に参加する。当日は人類学者のマーガレット・ミードや教育学者のロバート・M・ハッチンズ、カリフォルニア州知事のパット・ブラウンによる講演も予定されているというものだ。

さて、あなたがピーターズ校長ならこれを職員一同にどのように伝えますか

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2015年9月 8日 (火)

【コンセプチュアルスタイル考】第15話:コンセプトを作る

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Concept前回までで5つの軸の説明が終わりましたので、コンセプチュアル思考を使ってどういう行動をしていくのか、もう少し、踏み込んだ議論をしていきたいと思います。

第1回は「コンセプトを作る」ことです。


◆コンセプトとは

コンセプトは日本語で概念と訳されるように、ある意味で、コンセプチュアルスキルの基本だとも言えます。ただし英語でいうConceptと日本語でいうコンセプトは微妙に違いますので、このあたりところから考えてみましょう。

コンセプチュアルスキルは本質を見極めることが中心にありますが、本質というのは多くの場合、コンセプトとして表現されます。その意味でコンセプトはコンセプチュアルスキルの中心にある「概念」です。コンセプトという「概念」は分かりにくいのですが、一言でいえば、自分がしたいことの本質を表現したものだといえます。

もう少し難しくいえば、何らかのビジョン・戦略があってそのビジョンを実行するためにすべきことがコンセプトだと言えます。さらにそのコンセプトが実現されたかどうかの目安として目標を立てるわけです。

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2015年8月17日 (月)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(6)】見えない要求を見つける

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Youkyu◆エクスサイズ

7月の終わりに

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Aさん夫婦は、子供も独り立ちし、子供ができたときに建てた洋館をメンテナンスすることにしました。手始めに、汚れの目立つ庭の外壁をきれいにすることにしました。

外壁は家を建てたとき、妻の要望で真っ白にしましたが、長年風雨にさらされ、汚れてしまっています。妻は新築の時のように真っ白にすることを望んでいましたが、業者は妻の意に反してベージュに塗ってしまいました。

ところが、妻は怒るどころか、「わたしの要望をかなえてくれてありがとう」と業者に感謝しました。

さて、なぜでしょう?

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というエクスサイズ広告を出しました。コンセプチュアルプロジェクトマネジメントにおける要求定義の考え方をエクスサイズにしたものです。

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2015年8月13日 (木)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(5)】見えないものを把握する

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Mienai

◆コンセプチュアルであるとは

コンセプチュアルであるとは、常に本質を見つめ、本質を考慮した問題解決、意思決定、コミュニケーションなどを行っていることです。ここで本質とは何かという重大な問題がありますが、

「そのものとして欠くことができない、最も大事な根本の性質・要素」

ということを本質だと考えておきます。たとえば、本質的な問題といえば、ある種の問題現象を引き起こしている問題です。要求の本質といえば、本当に欲しいものです。

本章では、コンセプチュアルであるためには何が必要かということを考えてみます。いい変えると本質を考慮した行動をするには何が必要かということです。

PMstyleではコンセプチュアルであるためには以下の3つの姿勢が必要だと考えています。

(1)見えないものを把握する
(2)価値を判断する
(3)全体を描く

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2015年8月10日 (月)

【PMスタイル考】第104話:ビーイング・コンセプチュアル

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Concept9

◆ビーイング・デジタル

イノベーションの分野において、デザインを中心に考えるIDEOと双璧をなす機関に、テクノロジーを中心に考えるMITのメディアラボがあります。マンマシンインターフェースへの新しい取り組みを研究する研究所で、さまざまなチャレンジをしています。現在、日本人の伊藤穣一さんという方が所長として活躍されていることで、日本でもその活動に関心の高い機関です。

そのメディアラボを1985年に創設したのは、ニコラス・ネグロポンテという計算機科学者です。ネグロポンテ氏はもう一つ大きな影響を与える活動をしており、それは、1992年にコンピュータ関係の雑誌Wired Magazineの創刊に関わったことです。創刊に協力し、月に一度コラムを寄せ、基本的なテーマをこう何度も繰り返しました。

「アトムからビットへ」

そして、ビットが構成する新しい世界を「デジタルであること」(ビーイング・デジタル)と呼びました。まさに、今の世の中を予言していたと言えます。

おそらく、ビーイングデジタルはこれからも進展していくのだと思いますが、これからはデジタルとともに、新しいビーイングが注目されるでしょうというのが今回のPMスタイル考のテーマです。

それは、コンセプチュアルです。

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2015年7月24日 (金)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(4)】なぜ、WHYを繰り返すのか

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Why

◆WHYを考える思考法

トヨタ式問題解決として有名なWHYを繰り返し、真因にたどりつき、問題解決を行うという方法があります。また、小倉仁志さんは「なぜなぜ分析」としてWHYを適切に繰り返す方法を広めています。また、地頭力で知られる細谷功さんも「WHY型思考」というのを提唱しています。

このようにWHYによって問題の本質を見極め、より適切な解を出すことをできると言われていますが、これはなぜなのでしょうか?今回はこの問題を考えてみたいと思います。



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