【コンセプチュアルスタイル考】第16話:利害関係を統合し、互恵関係を作る
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コンセプチュアル思考の行動への応用として、第1回はコンセプト作りをお話しました。第2回は「利害関係を統合し、互恵関係を作る」です。
◆コンフリクトにどう対処するか
世の中は矛盾(コンフリクト)に満ちています。あなたのお客様も決して例外ではありません。時として、矛盾に満ち溢れたことを言ってきます。
たとえば、あなたの会社は顧客から技術力を買われて長く取引をしているとします。顧客は新しい技術の導入には理解を示し、多少割高になってもあなたの会社から新しい技術を導入した製品を購入してきました。ところが最近役員が代わり、新しい役員は、コスト削減に強い関心を示す人でした。ここで営業部門と開発部門に対立する2つの考え方が生まれてきました。
開発部門は従来の顧客はあなたの会社の技術力を評価してくれているので、あなたの会社が技術革新を続けていけば、顧客との取引は長く続けることができるだろう。そして技術革新をすることは他の顧客への競争力にもなる。よって、技術革新こそ追求すべき目標だという考え方です。
営業部門は、顧客はコスト削減を気にしているので、今の価格では顧客を失うことになる。この顧客だけはなく、多くの顧客がコスト削減を重視しているので、多くの顧客を失うことになる。よって、コスト削減に努め、価格競争力をつけるべきだという考え方です。