PMstyle 2025年7月~10月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2016年2月10日 (水)

【コンセプチュアルスタイル考】第16話:利害関係を統合し、互恵関係を作る

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Gokeiコンセプチュアル思考の行動への応用として、第1回はコンセプト作りをお話しました。第2回は「利害関係を統合し、互恵関係を作る」です。

◆コンフリクトにどう対処するか

世の中は矛盾(コンフリクト)に満ちています。あなたのお客様も決して例外ではありません。時として、矛盾に満ち溢れたことを言ってきます。

たとえば、あなたの会社は顧客から技術力を買われて長く取引をしているとします。顧客は新しい技術の導入には理解を示し、多少割高になってもあなたの会社から新しい技術を導入した製品を購入してきました。ところが最近役員が代わり、新しい役員は、コスト削減に強い関心を示す人でした。ここで営業部門と開発部門に対立する2つの考え方が生まれてきました。

開発部門は従来の顧客はあなたの会社の技術力を評価してくれているので、あなたの会社が技術革新を続けていけば、顧客との取引は長く続けることができるだろう。そして技術革新をすることは他の顧客への競争力にもなる。よって、技術革新こそ追求すべき目標だという考え方です。

営業部門は、顧客はコスト削減を気にしているので、今の価格では顧客を失うことになる。この顧客だけはなく、多くの顧客がコスト削減を重視しているので、多くの顧客を失うことになる。よって、コスト削減に努め、価格競争力をつけるべきだという考え方です。



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2016年2月 1日 (月)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(10)】 コンセプチュアルスキルを高め、アクティブ・ノンアクションを防ぐ

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◆コンセプチュアルスキルが低いと、アクティブ・ノンアクションになる

マネジャーの職位が高くなるとコンセプチュアルスキルが必要だという認識は共通的な認識になっていますが、なぜ、必要かというのは意外と答えられない人が多いようです。

おそらく、自社の置かれている状況を広く見ることができ、その中から全社、あるいは業界にとって本質的な課題を抽出し、それに対応していくことといった答えになるのでしょうが、この答え自体、相当な概念的な話であり、結局はコンセプチュアルスキルが低いと正しい認識ができないということになります。

そのような前提で、特に、ミドルマネジャーにとっては、コンセプチュアルスキルが低いと具体的にどのような問題が出てくるのかということを考えてみたいと思います。

いろいろな視点があるのだと思いますが、ここでは、「アクティブ・ノンアクション」という概念を中心に考えてみたいと思います。

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2016年1月31日 (日)

【PMスタイル考】第112話:経験を活かすにはどうすればよいか

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◆なぜ、理論は使えないと考える人が多いのか

理論と経験のどちらを重視するかと聞かれると、多くの人は経験だと答えると思います。多くの人はあまり理論は役に立たないと考えているからです。今回のPMサプリはこの問題について考えてみたいと思います。

まず、なぜ、理論が役に立たないと思っている人が多いのかと言う問題について考えてみましょう。この問題は2つの側面があります。一つは理論化されている範囲が狭く、そのため現実の業務の範囲をカバーできていないという問題です。現実に起こっていることを整理し、理論にするという理論の成り立ちを考えるとこの問題は対応できない問題です。ただ、多くの場合、現実に起こっていることから理論を構成し、そして、多くの人が理論を活用するという手順で考えるとこのこの問題はそんなに多くないように思います。

むしろ、多いのは2つ目の側面で、理論をどのように現実の問題に使えばよいかが分からないという問題です。たとえば、組織論で得られている知見を現実の問題に取り入れている組織は非常に少数です。リーダーシップ論を取り入れているリーダーはリーダー全体でみれば数えるほどしかいないでしょう。このような状況は、アプローチも含めて、どのように理論を現実の問題に適用すればよいかが分からないので起こっているものを考えられます。

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2016年1月29日 (金)

【PMスタイル考】第111話:続・システムについて考える~なぜ、システムが必要なのか

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◆デザインとは問題解決に役立つかどうかに価値がある

第109話で、システムについて考えるという話をチームという観点を中心にしました。今回は、その続きとして、デザインという視点からシステムについて考えてみたいと思います。

iPhoneがこれだけメジャーな製品になったのは、デザインが良かったからだです。では、よいデザインとはどういうものでしょうか。よくアートとデザインは違うと言われます。アートの良さは非常に主観的なものです。

まず、よいデザインとはここにポイントがあります。よいデザインは問題解決を行うものに限定されます。よいデザインとは厄介な課題を解きほぐすものです。言い換えると何かの手段であるのがデザインです。

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2016年1月14日 (木)

【PMスタイル考】第110話:プロジェクトのマネジメントについて考える

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◆プロジェクトマネジメントとプロダクトマネジメント

プロジェクトマネジメントというと、基本的な認識はオペレーションのマネジメントであり、コスト、時間、品質のバランス、つまり、スコープが管理の対象になります。言い換えると、できるだけ安く、速く、良いものを作ることが目的になります。

日本では15年くらい前にプロジェクトマネジメントが注目されるようになり、IT業界、製薬業界、製造業を中心に普及してきました。学んだ先は米国で、米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)のまとめたPMBOK(R)の導入を中心に行われてきました。

しかし、米国には製品開発プロジェクトに関してはもう一つのマネジメントがありました。それはプロダクトマネジメントと呼ばれるものです。米国ではプロダクトマネジメントで価値のマネジメントが行われ、プロジェクトマネジメントでその実現オペレーションのマネジメントが行われていました。もっと一般的にいえば、戦略マネジメントがあり、そのオペレーションをマネジメントするのがプロジェクトマネジメントでした。

にも関わらず、日本はプロジェクトマネジメントの部分だけを導入しました。なぜ、このようになったのかと考えてみると、日本でプロジェクトマネジメントが注目されるようになってきた時代にはまだ、価値や戦略のマネジメントが一般化しておらず、欧米の模倣でやっていた企業が多かったため、実現オペレーションのマネジメントがより重要だったからだと思われます。

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2015年12月18日 (金)

【PMスタイル考】第109話:システムとチーム

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◆変わるシステムのイメージ

著者は30年前にシステム工学科という学科を出ましたが、システムという言葉のイメージはずいぶん変わってきたように思います。当時はシステム工学科には4つのゼミがあり、システム理論、メカトロ、制御、情報の4つでした。

今はシステムというと情報システムをイメージする人が多いように思いますが、本来システムは、さまざまな要素が組み合わさったものです。モノだけではなく、組織や人なども組み合わさってシステムになります。その組み合わせにITが不可欠なため、このようなイメージになってきたものと考えられます。

ところが、面白いことに、最近、またシステムが本来のイメージに変わりつつあります。その原因になっているのは、おそらく、IoTのような技術です。これまではモノとITは別でしたが、IoTによってモノとITが一体化してきました。

このようになってくると、システムをシステムとして認識しておかないとビジネスもマネジメントもうまくいきません。今回はこの問題を取り上げてみたいと思います。

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2015年12月 9日 (水)

【PMスタイル考】第108話:WHYを活用したマネジメント

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◆トヨタの5WHY

今回は少し、変わったテーマにチャレンジしてみたいと思います。テーマはWHYによるマネジメント、つまり、マネジメントにおいてWHYをどのように使うのかということです。

WHYとマネジメントというと日本ではまずトヨタの5WHYを思い出す人が多いのではないかと思います。問題解決において、現象からWHYを5回繰り返せば、真の原因に行きつくという方法です。なかなか難しいのですが、普及している考え方です。

ここから派生してきた方法もたくさんあります。「なぜなぜ分析」と呼ばれる方法がその典型でしょう。

WHYを考えることはマネジメントでは非常に重要です。WHYを繰り返し考えることによって本質を見極めることができるからです。たとえばトヨタの5WHYであれば、発生している問題の本質的な原因は何かということを考えることになります。



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2015年12月 4日 (金)

【PMスタイル考】第107話:共有について考える

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◆共有の目的

よいチームはコミットメントの共有から生まれるといいます。共有するとはどういうことか。今回のサプリはこの問題を考えてみたいと思います。

まず、共有の目的ですが、これはいろいろな議論があると思いますが、最終的にはメンバーの一人一人が経営者と同じ目線で動いているようにすることに尽きるように思
います。

もちろん、経営者と管理者、リーダー、担当者はそれぞれ別の役割を果たしているわけですので同じものを見ているわけではありませんが、だからこそ自分たちの担当する範囲を経営者と同じ目線で見ることが大切なのです。

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2015年11月30日 (月)

【PMスタイル考】第106話:プロジェクトで人を育てつつ、利益を上げる

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◆プロジェクトに求められる役割

久しぶりにプロジェクトのネタです。

プロジェクトで仕事をすることは素晴らしいことですが、最近、人が育たないという声をよく耳にします。もう少し、正確にいえば、人が育っていないというよりは、必要な人材が育っていないという状況があるようです。従来は、プロジェクトで業務をやっていればリーダーはもちろん、参加するメンバーも必要なスキルは身についていました。身につけなくてはならないスキルがテクニカルスキルであり、加えてヒューマンスキルが身につけばよかったわけです。

ところが今の時代はそうはいきません。イノベーション活動に代表されるように、どんどん新しいアイデアを考え、新しい技術を開発し、身につけていかなくではならないからです。そう考えると、プロジェクトでどのように業務を行うかは今までとは異なる発想で考える必要があります。

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2015年10月 7日 (水)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(9)】 体験を経験に

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Keiken◆経験と体験の違い

最近、「経験」に対して、否定的な人が増えています。理由は、経験が足を引っ張って、新しいことを考えたり、行ったりすることができないというものです。今回はこの問題を取り上げたいと思います。

ちょっと話に入る前に経験と言う言葉を定義しておきたいと思います。経験に似た言葉に体験という言葉があります。どう異なるのでしょうか。体験は自分自身の遭遇したことを意味する言葉です。

これに対して、体験を自分なりに受け止めたものです。体験しなくても、実際に見たり、聞いたりするだけでも、そこから何かを感じとることができれば経験になります。逆にいえば、いくら体験をしても、自分なりに受け止めができなければ、経験にはなりません。

ここで気をつけて戴きたいのは、何度も同じような体験を繰り返していると、そこで起こっていること、やっていることがすべてという受け止めが自然にできることです。

こういう言葉の定義で話を進めていきます。


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