PMstyle 2024年5月~7月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

カテゴリ

Powered by Six Apart

« 【PMスタイル考】第112話:経験を活かすにはどうすればよいか | メイン | 【コンセプチュアルスタイル考】第16話:利害関係を統合し、互恵関係を作る »

2016年2月 1日 (月)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(10)】 コンセプチュアルスキルを高め、アクティブ・ノンアクションを防ぐ

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/kimagure

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Isogasii2

◆コンセプチュアルスキルが低いと、アクティブ・ノンアクションになる

マネジャーの職位が高くなるとコンセプチュアルスキルが必要だという認識は共通的な認識になっていますが、なぜ、必要かというのは意外と答えられない人が多いようです。

おそらく、自社の置かれている状況を広く見ることができ、その中から全社、あるいは業界にとって本質的な課題を抽出し、それに対応していくことといった答えになるのでしょうが、この答え自体、相当な概念的な話であり、結局はコンセプチュアルスキルが低いと正しい認識ができないということになります。

そのような前提で、特に、ミドルマネジャーにとっては、コンセプチュアルスキルが低いと具体的にどのような問題が出てくるのかということを考えてみたいと思います。

いろいろな視点があるのだと思いますが、ここでは、「アクティブ・ノンアクション」という概念を中心に考えてみたいと思います。


◆なぜアクティブ・ノンアクションになるのか

アクティブ・ノンアクションというのは、変な言葉ですが、実は文字通りの意味で、アクティブなのに、アクションできないという意味です。もっと簡単にいえば、「忙しいけど成果が出ない」という状況だと言えます。心当たりがある人も少なくないかと思います。自分は忙しくいろいろ動いているのに、成果が評価されないといった状況です。

なぜ、アクティブ・ノンアクションになるのでしょうか?理由は簡単です。やっていることが的外れだからです。そんなことはないと思われる方もいらっしゃると思いますが、この問題が難しいのは、的外れになっている理由が自分の判断だけではないことが多いからです。つまり、上司や顧客に○○をしてくれと言われて対応しているのに、成果にならないというケースが意外と多いのです。


◆目に見えないものに本質がある

さらになぜ、そんなことになるかといえば、「顧客の真の要求がつかめていない」、「上司の指示が的外れである」といったことにあります。言い換えると、目に見えないところに真の要求や、正しい指示があるということです。

重要なことは、顧客の要求や上司の指示を現実として受け止めてしまうと、顧客の要求が頻繁に変わるとか、上司の指示の責任を取らなくてはならなくなるといったように現実に振り回されることになります。これがアクティブ・ノンアクションを引き起こすわけです。

的外れにならないようにするためには、要求の本質や指示の本質がどこにあるのかをきちんと把握できなくてはなりません。本質を見極めるためには、概念的に考えることが必要ですが、ここで重要なことは概念的に考えただけでは何をしてよいのか分かりません。概念的に考えたことを具体的に行動に落とす必要があります。


◆アクティブ・ノンアクションからの回避

アクティブ・ノンアクションというのは、概念的に考えず、具体的な考えだけで行動してしまうことです。そう考えると、具体的な行動をする前に、その行動がどういうことかを概念的に考えてみて、その適切さを判断することが必要なのです。

実はアクティブ・ノンアクションを起こしている多くの人が誤解しているのは具体的な行動の適切さを判断できると考えている点です。確かに、正解のある問題であればその通りなのですが、正解のない問題ではそうはいきません。具体的な行動が何を意味するかを考えない限り、具体的な行動の適切さは判断できません。

たとえば、メンバーのパフォーマンスを上げたいとします。いろいろな具体的な対策がありますが、どの対策がいいのかはなぜパフォーマンスが悪いかをどのように捉えるのかによって変わってきます。現実に起こっているある作業がスケジュール遅れを起こしているといった問題事象だけをみて、その問題事象を解消するような行動をとっただけでは、適切な行動とはいえません。メンバー自身のスキルが低いのか、組織としての意思決定が遅いのかでは対応が大きく変わってきます。これが、本質を見極めるということです。

ここで重要なことは、どのような問題かに対する正解はないことです。そこで現象は事実なのだからそこだけみていけばよいというロジックが生まれてくるわけですが、それではモグラ叩きになり、現実に振り回されて、アクティブ・ノンアクション、すなわち忙しいけど、成果が出ない状況になってしまいます。

必要なことは「問題の本質」を見抜き、その本質に適した対策を打つことです。そのためには、コンセプチュアルスキルが不可欠です。

コンセプチュアルスキルを強くして、アクティブ・ノンアクションに陥らないようにしたいものです。

◆コンセプチュアルスキルの基本講座のご案内

PMstyleでは、経験を応用することを含めたコンセプチュアルスキルの入門講座を開
催しています。また、コンセプチュアルスキルの基本である「コンセプチュアル思考」
の講座も開催しています。

2月に特別に、両プログラムを開催します。両方にご参加戴ける方は、両方の参加費
を半額にしたいと思います。

例えば、ゴールド会員でしたら

22日 コンセプチュアルスキル入門 17,500円(税別)
24日 コンセプチュアル思考    22,500円(税別)

になります。この機会に、どうぞ、ご受講ください!


━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆コンセプチュアルスキル入門~本質を見極め、行動するスキル ◆(7PDU's)
  日時:2016年 02月 22日(月)10:00-18:00(9:40受付開始)   
  場所:銀座ビジネスセンター(東京都中央区) 
  講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/conceptual_skill.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  【カリキュラム】                     
  1.概念的に考えて、具体的な行動をする
  2.本質を見極めるスキル
  3.洞察力を高める
  4.応用力を高める
  5.コンセプチュアルが行動を変える~ケーススタディ 
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆コンセプチュアル思考~見えないものに挑む思考法      ◆(7PDU's)
  日時:2016年 02月 24日(水)10:00-18:00(9:40受付開始)   
  場所:銀座ビジネスセンター(東京都中央区) 
  講師:好川哲人(エム・アンド・ティ コンサルティング代表)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/conceptual_thinking.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、共催:PMAJ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  【カリキュラム】                     
  1.思考をコンセプチュアルにする思考法
  2.思考をコンセプチュアルにする思考ツール
  3.コンセプチュアルな思考を妨げるもの 
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

コメント

コメントを投稿