【お知らせ】「コンセプチュアルスキル」に関する説明会
9月~10月にかけて、PMstyleでコンセプチュアルスキルに関する説明会を2件、行います。
ご関心があれば、ご参加ください。
1件はPMO向け説明会で、もう1件はコンセプチュアルスキル講座の説明会です。
9月~10月にかけて、PMstyleでコンセプチュアルスキルに関する説明会を2件、行います。
ご関心があれば、ご参加ください。
1件はPMO向け説明会で、もう1件はコンセプチュアルスキル講座の説明会です。
2017年1月に日本経済新聞出版社より、PMstyleで展開しているコンセプチュアルスキルの基本を解説した「コンセプチュアル思考」を出版しました。また、8月には日経BP社から「「コンセプト力」でプロジェクトを動かす」という書籍を出版しました。
2017年度下期は、これらの書籍を中心に展開していく計画です。
2017年のコンセプチュアルスキル講座は、
(1)基本
(2)思考
(3)行動
(4)業務
の4分野です。
下期の特記事項としては、一つは「コンセプチュアルプロジェクトマネジメント」を全面改訂し、新講座として「「コンセプト力」でプロジェクトを動かす」を新たに設置したことです。以前、「コンセプチュアルプロジェクトマネジメント」講座を受講された方にもお勧めしたい講座です。
また、下期は兼ねてよりご要望のありました関西(大阪)で、基本講座をトライアル開催することになりました。下期に開催するのは従来から開催していた「クリティカルシンキング」に加えて以下の2講座になります。受講をご検討いただけましたら幸いです。
・コンセプチュアルスキル入門(2018年 01月 23日(火))
・コンセプチュアル思考(2018年 02月 21日(水))
全体のプログラムは以下ののようになっています。
※診断スコアはコンセプチュアルスキル診断の結果です。こちらから実施できます。
PMstyleプロデューサーの好川哲人です。
今年、コンセプチュアルスキルの本を2冊出版しました。今日は、これらについてご紹介します。
◆「コンセプチュアル思考」
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
コンセプチュアル思考は
(1)イメージで大雑把に物事を捉えた上で、そのイメージを定量的に説明することによりイメージを明確にする大局と分析軸
(2)現実の現象を抽象化し、抽象的に思考(問題解決や意思決定)を行い、その結果を複数の具体的な事象や行動に落とし込む抽象と具象軸
(3)自身の価値感に基づき思考を行い、その結果について第三者的な視点から妥当性を検証・調整する主観と客観軸
(4)直観的に判断をした結果に対して論理的根拠を構成し、論理で得られた結果の妥当性を直観的に判断する直観と論理軸
(5)長期スパンの思考と短期スパンの思考を行う長期と短期軸
の5つの軸を使って、概念と形象の世界を行き来する思考法です。この本では、簡単な例を示しながら、コンセプチュアル思考の方法を説明しています。
本書を読めば、コンセプチュアル思考が理解でき、実務の中で活用できるようになります。すべてのビジネスマンに読んでいただきたい1冊です。
◆「「コンセプト力」でプロジェクトを動かす」
2冊目は、コンセプチュアル思考を使って、プロジェクトマネジメントを行う方法について述べた本です。
好川哲人「「コンセプト力」でプロジェクトを動かす」、日経BP社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/482225948X/opc-22/ref=nosim
この本では、前半はプロジェクト(マネジメント)においてコンセプチュアル思考(本書ではコンセプト力と呼んでいます)が必要な局面を指摘し、どのように適用するかを解説しています。
後半ではそれらのポイントを中心に、一つの事例プロジェクトにより、プロジェクトの立上げから終了までどのように進めていくかを説明しています。
既存のプロジェクトマネジメントを基本にしていますので、もっとうまくプロジェクトを動かせるようになりたいと考えているプロジェクトマネジャーにお勧めです。
バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最近、よく聞かれるのが「コンセプチュアルスキルがなぜ必要か」ということだ。関心を持つ人が増えてきたということなのだろう。ありがたいことだ。そこで、今回のPMスタイル考は、この問いに答える形で書いて見る。
ちょっと大きな話になるが、コンセプチュアルスキルはロバート・カッツというハーバード大学の先生がマネジャー、特に経営にタッチする上級マネジャーの特有のスキルとして提唱したものだ。
彼は、工場において、最初の管理職位である作業長になる人の中で、上にあがっていける人といけない人にどういう違いがあるかを観察し、コンセプチュアルスキルの高さによるという発見をした。つまり、業務スキルやヒューマンスキルに加えてコンセプチュアルスキルが高い人は工場長まで上がれるが、あまり高くないとあるところから上の職位にはつけないことに気付いた。
この着眼は日本企業に適合しており、コンセプチュアルスキル(概念化スキル)の向上が日本企業では重要な人事課題になっている。
バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/kimagure
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◆経営戦略の本質に貢献するプロジェクト
15年位前から日本でもプロジェクトマネジメントに関心が高まり、IT業界を中心に盛んに導入が行われてきました。
多くの企業ではマネジメントに関心を持つ一方で、プロジェクトへの関心はあまり高まらず、結果として、品質管理の延長線上で、品質管理目標への取り組みを経営戦略へ適用したTQM(Total Quality Management)に落ち着いてきたような気配があります。
もちろん、これによって失敗するプロジェクトが減り、経営的な成果が生まれていますので十分な意味があったわけですが、一方で、これが原因でイノベーションが起こせないという問題に行き当たっています。つまり、経営戦略をプロジェクト活動に落とし込む際に、不確実性の小さい方法を選んでいくために、本来の挑戦的なプロジェクトにはなりにくいのです。
この問題を解決するには、プロジェクトの創り方を変えていく必要があります。
それは、「失敗しにくいプロジェクト」に落としていくことから、「経営戦略の本質に貢献するプロジェクト」に落としていくように変革する必要があります。
バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
プロジェクトマネジメントでは、やらなくてはならない作業の大枠をプロジェクトとして決め、実際の作業をどのように行うかは担当のチームや担当者が決めて行うという方法で計画をつくり、作業を進めていく。
さらに遡れば、プロジェクトの目標となる予算やスケジュール、あるいは品質基準はチームで共有され、ここからプロジェクトの計画に展開して行く。
そして目標は目的を具体化する形で決められ、目的は戦略から決まってくる。
つまり、戦略、目的、目標、プロジェクト計画、作業計画の間には
戦略
→ (具体化) →目的
→ (具体化) → 目標
→ (具体化) → プロジェクト(マネジメント)計画
→ (具体化) → 作業計画
という関係があり、最終的にはプロジェクトで行っている作業は何らかの意味で戦略実行のための作業になっている。これがプロジェクトマネジメントの原理だ。
これから分かるように、プロジェクトは戦略を具体化してできているわけだ。
この記事では、上位にあるものを上位概念と呼ぶことにする。目的の上位概念は戦略、目標の上位概念は目的、計画の上位概念は目標ということになる。
さて、以上を前提にしてコンセプチュアルなチームの話を進めていきたい。
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プロジェクトや業務において、新しいアイデアを生み出し、成果を上げるには、担当チームが如何にコンセプチュアルに活動できるかが大きなポイントになります。
チームがコンセプチュアルであるとは
プロジェクトや業務の成果の本質をチームの全員が共有し、それぞれのメンバーがそれを実現するために自分のすべきことを考え、行動していく
ことです。
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プロジェクトを進めていくときに、目的に応じて計画を作り、計画を頼りに進めていくが、計画通りにはいかないケースが少なくない。
そのような場合には計画を変更して、新しい計画で進めていくのが一般的な流儀だが、イノベーションのように全く新しいことを行うプロジェクトでは、新しい計画が作れないことも珍しくない。
このような場合に、無理やり計画を作って進めていっても、計画を頼りにすることはできないし、計画があることが混乱を引き起こすこともある。どうすればよいのだろうか?
バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/kimagure
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1990年代の後半から注目されるようになったロジカルシンキングは、今やビジネスマンの必須スキルになり、企業では比較的早い時期から取り組んでいます。会社によっては新入社員の時代から教育しているところもあります。
また、学生に教えている大学もあり、もはやビジネスマンンに限らず、非常に重要性の高いスキルで、社会人になってから取り組んだのでは遅いので、小学校、中学校くらいから教えてほしい思考法になっています。
一方でロジカルシンキングでは不十分だという議論もあります。例えば、「風が吹けば桶屋が儲かる」というロジックはロジカルシンキングの弱点を表しています。論理的に正しいことをつないでいってもこのような非論理的な答えしか得られないケースがあるのです。
このような問題が発生する原因はいくつかあるのだと思いますが、最も重要なのは正しいと思っていることの妥当さです。
「風が吹けば桶屋が儲かる」というロジックは
風が吹けば、砂埃が舞う。
→砂埃が舞えば、砂が目に入り、失明する人が増える。
→失明する人が増えれば、三味線弾きが増える。
→三味線弾きが増えれば猫が減る。
→猫が減れば鼠が増える。
→鼠が増えれば、風呂桶が齧られる。
→風呂桶が齧られれば修理が増える。
→修理が増えれば桶屋がもうかる
というものです。この中で、例えば「砂埃が舞えば、砂が目に入り、失明する人が増える」というロジックはかなり怪しいものですが、これを「風が吹けば、砂埃が舞う」と同じように扱っています。
これは認識の問題で、そう思っている人もいるかもしれません。結局、ロジックを立てている人は全体が見えているわけではありません。言い換えると、ロジックは全体を知っているという前提の上に成り立ちますが、現実にはそれは無理です。ここにロジカルシンキングの限界があります。
バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/productivity/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆生産性を向上する2つのアプローチ
生産性を向上するには
・コストを削減する
・付加価値を向上する
の2つのアプローチがあります。伊賀泰代さんが著書「生産性」の中で指摘しているように日本では生産性向上のアプローチとして後者のアプローチはほとんど用いられていませんので、一般的なイメージとしてはコスト削減、つまり、「効率化」の方が圧倒的に強く、そのための重要な要素の一つがコミュニケーションだと考えられています。
プロジェクトマネジメントにコミュニケーションマネジメントという概念がありますが、効率化のためのコミュニケーションはほぼこれで足ります。簡単にいえば、コミュニケーション(情報共有や伝達)が必要な場合を事前に洗い出し、どのようなスタイルでコミュニケーションするかを計画しておき、その計画に乗っ取って、コミュニケーションを実践するという方法です。コミュニケーションのルール決めですね。