PMstyle 2025年7月~10月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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2017年12月20日 (水)

【コンセプチュアルスタイル考】第39話:コンセプチュアルなQC活動

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9984019/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【参考文献】
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
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Cube

◆QC活動の概要

QC(Quality Control)活動はさまざまな企業で行われています。ある意味で、日本の製造業の成長を支えてきた活動でもあります。QC活動は、同じ職場内で品質管理活動を、自発的に、QCサークルと呼ばれる小集団で行う活動ですが、基本的には

・人間の能力を発揮し、無限の可能性を引き出すこと
・人間性を尊重して、生きがいのある明るい職場をつくること
・企業の体質改善・発展に寄与すること

の3つを目的とすることが多いとされます。特に高度成長期の日本企業においては、三番目の体質改善に大きな成果があったと評価されることが多いようです。

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2017年11月21日 (火)

【コンセプチュアルスタイル考】第38話:コンセプト力を高める

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9984019/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【参考文献】
好川 哲人「コンセプチュアル思考」、 日本経済新聞出版社(2017)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320623/opc-22/ref=nosim
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Concept

◆はじめに

プロジェクトで成果物が思ったようにできない一つの理由として、コンセプトとモノ(成果物)がうまく結びつかないという現象があります。これはコンセプチュアルスキルの問題です。

世の中をみていると、コンセプトを考えるのは熱心だけどコンセプトの実現方法にはあまり関心を持たない人と、モノを考えることには熱心だけどそのコンセプトにはあまり関心を持たない人がいます。コンセプチュアルスキルの高い人は常に両方の視点から考え、結び付けていく人だといえます。

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2017年11月 8日 (水)

【コンセプチュアルスキル講座紹介】コンセプチュアルスキルの基本

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PMstyleプロデューサーの好川哲人です。

12月5日~6日に開催しますコンセプチュアルスキル講座の人気講座

「コンセプチュアルスキルの基本」

をご紹介します。すでに開催は決定しています。

みなさまの参加をお待ちしています。

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2017年10月30日 (月)

【コンセプチュアルスタイル考】第37話:チームによるコンセプチュアル思考

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9984019/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆本質を考える思考はチームの方が適している

PMstyleでは、「コンセプチュアルなチームを創る」という講座をやっています。この講座で掲げているコンセプチュアルなチームのイメージはこちらを参考にしてください。

【PMスタイル考】第126話:プロジェクトチームがコンセプチュアルであるとはどういうことか
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2017/08/post-78b8.html

この講座で、ある受講者から、本質を考える思考はチームの方が適しているのではないかという指摘がありました。

その通りです。


◆コンセプチュアル思考はチームとしてもできなくてはならない

コンセプチュアルスキルはもともと経営者のスキルとして位置付けられていたので個人の思考スキルのようなイメージがありますが、実はそうではありません。確かに、70年前には経営者が一人で様々なことを考えなくてはならなかった時代にはそうだったかもしれませんが、今は経営そのものをチームで行う時代です。

従って、コンセプチュアル思考は、個人ができるだけでなく、チームとしてできる必要があるのです。

そこで、コンセプチュアル思考をチームで行い、本質を共有するにはどうすればよいのかを考えてみましょう。

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2017年10月18日 (水)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(20)】「橋を架けてほしい」と頼まれたが、予算が足らない。どうする?

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/kimagure

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Ps◆はじめに

プロジェクトやマネジメント、ビジネスでは多くの問題に遭遇します。遭遇した問題をどのように解決できるかで、成果は大きく変わってきます。

成果を大きくするためには、本質的な問題が何かということを適切に見極め、本質的な問題に対して、プロジェクトの目的を考えて手を打つ必要があります。

◆橋を架けてくれと依頼された

たとえば、みなさんが島に住む住人から、橋をかけてくれと頼まれたとします。この時点では問題は「橋がないこと」だと考えているわけです。

あなたは、この依頼をゼネコンにつなぎました。ところが、予算的に折り合いません。

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【PMスタイル考】第129話:まねるとは本質を理解し、実現することである

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆まねる

イノベーションが注目されるようになって、まねることが再び、注目されるようになっている。イノベーションは既存のアイデアの組み合わせであると言われており、まねることと非常に強い関連性があるからだ。

いい意味でも悪い意味でも、日本人はまねることが得意だといわれてきた。良い悪いは別にして、実際にまねから始めて、発展させ、新しいものを生み出してきたのは確かだろう。高度成長期はまさにそのような時期だったといえる。このあたりの話は、井上達彦先生の

模倣の経営学 実践プログラム版 NEW COMBINATIONS 模倣を創造に変えるイノベーションの王道」、日経BP社(2017)

を読んでみるとよい。トヨタやセブン-イレブンが採った、手本とする他社の本質を見抜き、自社で生かせる儲かる仕組みを抽出する創造的な摸倣の方法を体系的にまとめた一冊だ。また、井上先生が翻訳された

オーデッド・シェンカー(井上達彦、遠藤真美訳)「コピーキャット―模倣者こそがイノベーションを起こす」、東洋経済新報社(2013)

もお勧めである。

しかし、一方で、まねはしてもイノベーションが生まれなくなっているという現実もある。どうしてなのだろうか。

そこにはまねるとはどういう行為なのかという問題があるように思える。今回のPMルスタイル考は、この問題について取り上げてみたい。

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2017年10月 4日 (水)

【「コンセプチュアル思考」でプロジェクトを動かす】第1回 なぜ、ITプロジェクトは混乱するのか

◆なぜ、ITプロジェクトは混乱するのか

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次のようなプロジェクトを考えてみよう。

ある通販会社で経営層から「ロイヤルカスタマー戦略のテコ入れによる収益向上」と
う戦略が打ち出された。その実行の一環としてロイヤルカスタマーへの新たな働きかけをする、これまでにはない仕組みの構築を課題としたプロジェクトを実施することになった。

これまではロイヤルカスタマーに対する値引きは行っていたが、即日配送、特別な情報提供などできそうなことはいくらでもある。加えて、これまでには行われていない方法を取ることを前提にすれば、考える範囲はほぼ制約がない。一方でコストは決まっているので、その制約は守らなくてはならない。

このようなプロジェクトにおいて、いきなり、具体的にどのような仕組みを持たせるかを決めようとしても、新しい独自の仕組みを固定的に考えることは非常に難しく、試行錯誤してみなくては決まらない可能性が高い。また、強引に決めてもプロジェクトを進めていくうちに、実現できない、予算が足らないといった問題に直面することが多い。

そもそも、ロイヤルカスタマーの定義は今のままでいいのかといった話にもなってくるだろう。

たとえば、注文の仕組みを変えて、ロイヤルカスタマーになれば他の人に商品を奨めた場合のロイヤリティが入る仕組みを取り入れようとした。ところが、ロイヤルカスタマーがそれなりに満足するにはどういう仕組みにすればよいかは実際にやってみないと分からない部分が多い。仕組みによって、システムの仕様だけではなく、範囲も変わってくるだろう。

このようにシステムとして開発すべき範囲や仕様を明確にした上で、システムを開発するという方法が通用しにくい「ITプロジェクト」が増えている。

にも関わらず、要求仕様を強引に決めようとする。プロジェクトを進めていくうちに、結果として要求仕様は変化し、ステークホルダーの間でプロジェクトの目的に対する共通の認識がなく、また、チームにおいても指針がなく開発を進めていくケースが増えている。

従来のプロジェクトではプロジェクトの目的はシステム目的によってほぼ決まっていたし、システムの要求仕様もプロジェクトの初期で決まっていたので、あえてプロジェクトの目的を意識する必要はなかった。

ところが、問題としているタイプのITプロジェクトでは、プロジェクトの目的とシステムの目的は必ずしも一致しない。つまり、明確なゴールを設定しないままで、プロジェクトを開始することになる。

プロジェクトのゴールが明確になっていない状況でプロジェクトを進めると、プロジェクトは例外なく混乱する。これが、いま、ITプロジェクトが混乱しているもっとも大きな原因である。

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2017年9月27日 (水)

【コンセプチュアルスタイル考】第36話:PMOのためのコンセプチュアルスキル

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9984019/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Pmo_3◆PMOのタイプ

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は

(1)事務局型(プロジェクトオフィス)
(2)標準化型
(3)問題解決型
(4)戦略実行型

の4つに分けることができます。

(4)に近づくほど複雑な問題の解決をすることになりますので、(1)→(4)を成長とみる向きもあるようですが、プロジェクト形態のニーズとの兼ね合いもあるので、一概に(4)に向かうべきだとは言えません。また、(3)、(4)を役割を持ちながら、(1)や(2)を同時に持つこともありえます。

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2017年9月22日 (金)

【コンセプチュアルスキル講座気まぐれコラム(19)】洞察力と応用力を身につけ、生産性と創造性を両立しよう!!

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/kimagure

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Creative

◆生産性の向上方法

一般的に生産性と創造性は相反するものだと考えられています。

確かに生産性向上を無駄を削るという方法だけで実現しようとすると、創造的なことをやるというのは矛盾してしまいます。

しかし、生産性向上の方法はもう少し広く考えることができます。つまり、無駄を削減する以外に

・価値を向上する

という方法があります。

例えば、100万円で売る商品を作るのに100時間かかっているとします。この仕事の生産性を倍にしようと思えば、まず50時間で作るという方法があります。もう一つの方法として、100時間で200万円で売れる商品を創るという方法もあります。

前者はプロセスの無駄を削ることによって実現していきます。現実的には継続的な改善を続けているので半分というのは難しいかもしれませんが、そのような場合には、プロセスそのものを見直し、実現を目指すことになります。いわゆるプロセスイノベーションです。

後者は商品の機能を新しくしたり、あるいは商品のコンセプトを変え、商品として別物にすることによって実現していきます。これが一般的なイノベーションのイメージです。

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2017年9月12日 (火)

【PMスタイル考】第128話:なぜ、コンセプトは重要か

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/pmstyle/cat9747239/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆まず、モノありき

日本ではモノを重視する。決めごとをするのに、まず、モノの存在がある。

ここから始まっているので、製品コンセプトやプロジェクトのコンセプト(目的)を考える場合、「後づけ」になる。つまり、固定的なモノのイメージがあってそこからコンセプトや目的を考え、そこで終わるので、非常に限定的なイメージになる。

ここでモノといっているのはハードだけではない。ソフトウエアも含めて、「作る」モノすべてだ。今、生産性が問題になっているサービスもモノとして扱っている場合が少なくない。

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