【マネジメントスタイル:雑談11】ミドルアップダウンで組織文化を構築する
◆ミドルトップダウンとは
著者がミドルアップダウンという言葉は初めて耳にしたのは、1994年くらいでした。情報源は金井壽宏先生、米倉誠一郎先生、沼上 幹先生という日本の経営学を作られた3人の先生の書かれた「創造するミドル」(有斐閣、1994)という本だったように思います。
この本は、バブル崩壊で疲れたミドルマネジャーに励ましのメッセージを送るために書かれた本で、創造的な活動をしているミドルへのインタビューが詳細に紹介されています。
この中で、創造するミドルに共通しているのは、
・会社の今に「主体的な危機感」を持っている
・動機に重なる「原体験」を持っている
・想いや行動に共感した「仲間(時に上司)」ができる
の3つだとしています。こういうスタイルのマネジメントがミドルトップダウンだとも言えますし、もう少し一般的に言えば、ミドルトップダウンとは、
トップと一般社員の中間に位置するミドルが主体的に動き、第一線で働く現場の声を吸い上げて経営に提言したり、経営者が発信しているメッセージをわかりやすく一般社員に伝えたりする役割を担うことによって経営成果を高めていこうとするマネジメント方式
だということができます。
当時は、日本ではボトムアップスタイルが主流で、経営より現場の方が強く、その中で業績のよい組織はボトムアップにミドルが巧みに絡んでいたので当たり前のような気がしていましたが、その後、特にグローバル化と、企業ガバナンスの強化とともに日本の経営もトップダウン経営になっていきました。