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2019年12月17日 (火)

閉塞感を打ち破りたい人へ

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ジョン・C・マクスウェル(山田 仁子訳、岩田 松雄解説)「「NO LIMITS 「できる人」は限界をつくらない」、三笠書房(2019)
 
 
お薦め度:★★★★★
 
 
 
 
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世界一のメンターといわれる有名な著作家であり、牧師でもあるジョン・マクスウェルの著書。
この本のテーマは、そのタイトルの通り、「限界をつくらない」こと。最初に、限界をつくることの問題と、限界をつくらないことの素晴らしさを述べた上で、2つの視点から、限界をつくらないために必要な資質を説明している。簡単に列挙しておこう。
 
まず、限界を吹き飛ばすための7つの能力として
 
活力:成果をつかみ取る「心身のスタミナ」
精神力:「感情」に振り回されるな
思考力:「着想」から「実行」までの頭の使い方
対人力:「つき合う相手」で実力は見える
創造性:「新たな打ち手」が閃く瞬間
結果を出す力:「安易な道」に流されるな
影響力:「人を動かす人」になるために)
 
さらに、未来を未来を拓く「正しい選択」をするための条件として
 
責任感:「全てを潔く引き受ける」覚悟
人間性:この「支柱」がある人の存在感
信頼感:「人生の豊かさ」を信じられるか
自制心:やるべきことを「やり抜く」力
心構え:逆境にあっても「前を向く力
リスクを取る:「安全圏」から踏み出せ
成長への意志:どこまで遠くに行けるか
強調する力:さらに「地平線を広げる」ために
 
の8つを取り上げている。まさに、世界一のリーダーのメンターが唱えている究極のリーダーシップ論である。
 
日本の社会は如何に限界をつくるかを見識だとし、さらにスキルだとしている。これはおそらく、高度成長期の揺り戻しでそうなったのだと思われるが、ソフトバンクの孫会長が「もはや先進国ではない」というまで停滞している原因も明らかにここにある。
 
限界をつくりたい背景には、失敗できないとかいろいろあるが、この本を読んでいて、スキルやメンタリティの問題ではないかと思った。この本で述べていることは、限界をつくらないにはどうすればよいかということだが、逆にいえば、取り上げられている15の資質や条件が満たされないと限界をつくらないというアプローチはできない。
 
ところがタイトルだけ見ても分かるように、これはそんなにたやすいことではない。かといって、教育でどうこうなるものばかりでもない。やはり、失敗しながら、身につけていくことが不可欠であり、失敗したくないという考えとコンフリクトが起こってしまう。
 
失敗をしたくない人、特にマネジャーの立場で部下の失敗を許せない人にその理由を聞くと、結局、失敗して得られるものがないからだという人が多い。つまり、失敗を認めても次に成功するという保証はないのだ。確かにそうだと思う。
 
これを変えようと思うと、失敗の功績として別の要因を持ち込む必要がある。その候補になりそうなのが、この本で示されている指標だ。失敗しても、この指標の強化に役立っている限り、認める。そういうアプローチが失敗を撲滅していき、なおかつ、限界をつくらずモノごとにチャレンジしていく資質をつくっていくだろう。
 
そういう意味で、マネジャーにぜひ読んで欲しい一冊だ。
 
なお、本書はアマゾンでKindle用の特別試し読み版を提供している。関心がある人はまず、こちらを読んでみてほしい。
 
NO LIMITS 「できる人」は限界をつくらない【特別試し読み版】
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0824KRC4N/opc-22/ref=nosim
 
 
 

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