MBAコンセプトの本質を知り、使いこなす
<Kindle>https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07YLHFP77/opc-22/ref=nosim
<紙の本> https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492557938/opc-22/ref=nosim
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お薦め度:★★★★★
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復活の第1号の書籍を何にしようかと悩みましたが、ビジネス書の杜らしいのは、やっぱり、これかなと思い、これを復活1冊目にしました。
グロービスとMBAというと、大ベストセラーで、MBA向けの書籍の代名詞になっているといってもよい、「グロービスMBA」シリーズですが、当然のことながらシリーズの各書籍の著者は別の方です。ところが、今回紹介するシリーズは、すべて嶋田 毅さんの執筆で、その意味でも読みごたえがあります。シリーズは「基本」と命名されており、FB版のビジネス書の杜でも何冊か紹介していますが、
MBA100の基本(2017年1月)
MBA生産性をあげる100の基本(2017年12月)
MBA 問題解決100の基本(2018年12月)
MBA生産性をあげる100の基本(2017年12月)
MBA 問題解決100の基本(2018年12月)
といった本が出ています。この本は、基本やMBAシリーズで述べられていることを適用した際に起こりがちな副作用について解説したものです。基本のクオリティは項目によって高かったり、低かったりしていますが、今回の本に関してはすべての項目が素晴らしい本です。
日本でもMBAが注目されるようになって20年くらいになりますが、さすがに、MBAのフレームワークをはなから否定する人はほとんどいなくなってきたように思います。この理由としてMBAを嫌っていた現場一筋の人たちがリタイヤ―する一方で、MBAの手法に興味を持つマネジャーが増えてきて、若い人に勉強させているという側面もあり、例えば、ロジカルシンキングの手法を知らない人はいないといってもよいでしょう。
ところが、効果的に活用できているかとなると、また、別の問題です。この本の前書きで、島田さんは
・使い方を間違えている
・潜在的に存在する「副作用」を知らない
・副作用をしっていても手を打たなかった
・潜在的に存在する「副作用」を知らない
・副作用をしっていても手を打たなかった
といった原因が圧倒的に多いと述べられ、この問題を是正するために本書を執筆されたと書かれています。
この本のタイトルに使われているダークサイドという意味は、「出てしまいがちな副作用」ということだそうです。本書によって副作用を知り、副作用をできるだけ小さくすることが手法の効果的な活用につながるということで書かれた本です。
例えば、第1項目目にはロジカルシンキングについて書かれています。しかし、ダークサイドとして
・ロジック馬鹿になってしまう
・クリエイティブシンキングが弱くなる
・ロジカルであることを自己目的化してしまう
・クリエイティブシンキングが弱くなる
・ロジカルであることを自己目的化してしまう
といった指摘をし、ダークサイドに堕ちないために
・そもそもの目的に適う行動をとっているか、ビジネスパースンとしての生産性を削いでいないかを常に自問する
・ありきたりではない創造的なアイデアを出しているかを他者にチェックしてもらう
・ありきたりではない創造的なアイデアを出しているかを他者にチェックしてもらう
という2項目をあげられています。
このような感じで、
Chapter1 論理思考のダークサイド
Chapter2 戦略・マーケティングのダークサイド
Chapter3 アカウンティング・ファイナンスのダークサイド
Chapter4 組織・リーダーシップのダークサイド
Chapter5 創造・変革のダークサイド
Chapter2 戦略・マーケティングのダークサイド
Chapter3 アカウンティング・ファイナンスのダークサイド
Chapter4 組織・リーダーシップのダークサイド
Chapter5 創造・変革のダークサイド
の5つのカテゴリーから、55項目を取り上げ、ダークサイドを解説し、簡単な対処策を示されています。
ちなみに、本書のタイトルは「ダークサイドオブMBAコンセプト」で、MBAの手法のコンセプトに対する落とし穴を示した本だといえますが、島田さんが東洋経済オンラインに執筆された記事
「「MBAで学んでも結果が出ない人」の残念な理由 コンセプトが使いこなせない3つのパターン」
https://toyokeizai.net/articles/-/308119
では、コンセプトが使えないパターンとして
①そもそもそのコンセプトに対する理解が間違っている、あるいは表層的理解にとどまっている(本質が理解されていない)
②コンセプトやフレームワークのアップデートができていない(時代の変化に合わせたチューニングができていない)
③そのコンセプトの一面しか見えておらず、「落とし穴」にはまってしまう
の3つを上げられています。この3点を物差しにして本書を読むと、一段と有用な一冊だといえます。
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