マネジメントはクリエイティブの触媒【ほぼ日読書日記 2009年7月28日】
また、雨で新幹線が止まりそうな気配だったので、前日の夜、移動。新幹線車中で1冊。
ハーバードビジネスレビューに掲載されたピクサーの社長エド・キャットマルのマネジメント論。書籍のページにして70ページほどの小論であるが、非常におもしろかったし、いろいろなことを想像させてくれる。
エド・キャットマル(小西未来訳)「ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたか」、ランダムハウス講談社(2009)
翻訳をした小西未来さんが、その後につけているレポートは、取材をした上で、経営学のフレームワークを使ってピクチャーのマネジメントを説明している。頭はすっきりしたが、まだまだ、隠れている部分があるような気がする。
日本では職人=聖域という前提の中で、卓越したもの作りが行われてきたと言われている。確かにそういう構図はあると思うが、実はこの構図はもの作りに限定されたものではなく、クリエイターと言われる人材全般に存在している構図。
ジブリの鈴木 敏夫さんの
鈴木 敏夫「仕事道楽―スタジオジブリの現場」、岩波書店(2008)
を読んだときにも感じたが、ピクチャーにしても管理はされているようには思えない。しかし、マネジメントは思いっきりしているし、マネジメントというのはクリエイティブにとって重要な要素になっていることとは間違いない。特に、アニメのような、クリエイターのコラボレーションにおいてはその傾向があるのかもしれない。
A級のクリエイターのいる組織にはマネジメントがあり、B級クリエイターしかいない組織にはマネジメントはない。そういう時代になっていることを痛感させた1冊。
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