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2009年6月20日 (土)

無駄を学問する【ほぼ日読書日記 2009年6月19日】

渋滞学」で有名な西成先生の最近の本を読んだ。

西成 活裕「無駄学」、新潮社(2008)

渋滞学を読んだ時には、よくここまでと思ったが、比べると、ご本人も書かれているように、まだ、未成熟。

ただ、視点はとてもよいと思う。トヨタ方式のように無駄の排除で改善というのは基本的に深掘りしていくアプローチであるが、水平思考的なアプローチで改善するというのは有効なのではないだろうかと思った。

次作に期待。

日記には書かなかったが、新しい学問体系として実に興味深いものに、「希望学」がある。2~3ヶ月前から、東大出版会から、配本のような形で出ている。東京大学社会科学研究所による4年間にわたる全所的プロジェクトの成果の発表だそうで、すでに、3冊出ていて、第4巻も予約できる。

東大社研編著(玄田 有史、宇野 重規編)「希望学1 希望を語る」、東京大学出版会 (2009/4/4) (2009)

4千円もする本なので、あまりお奨めはしないが、なかなか、考えさせられる論文が多い。また、第三巻では、釜石でフィールドリサーチをしている。これも興味深い。
・希望と変革――いま、希望を語るとすれば
・希望研究の系譜――希望はいかに語られてきたか
・アジアの幸福と希望――「国民の幸福」戦略と個人の新たな選択
・データが語る日本の希望――可能性、関係性、物語性←これが特にお奨め
・「希望がない」ということ――戦後日本と「改革」の時代
・労働信仰の魔法とそれを解く法――希望の意義と危険性
・経済学からみた希望学――新たな地平を開くために
・ハンナ・アーレントと「想起」の政治――記憶の中にある希望
・社会科学において希望を語るとは――社会と個人の新たな結節点

時代的にこういうことを考える時代なのだろうなと痛感する。経営学でも希望というのは、取り扱ってもいいテーマだ。ポジティブ心理学にも通じる。

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