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2008年4月28日 (月)

クソッタレ本?!

4062141361 ロバート・サットン(矢口誠訳)「あなたの職場のイヤな奴」、講談社(2008)

お薦め度:★★★★1/2
原題:No Asshole Rule

この10年間で僕が影響を受けた本の1冊は、ロバート・サットンの「The Knowledge Doing Gap」である。この本は、組織における成員の知識と行動のギャップについて問題指摘をし、解決方法を提案したものである。日本では、この本は2000年に一度、「変われる会社、変われない会社―知識と行動が矛盾する経営」として流通科学大学出版より出版され、2005年に講談社から「実行力不全」のタイトルで復刊されている。

言行一致の組織を作る

専門は組織行動論、組織管理論、イノベーション理論などを専門とするサットン教授が、心理的な側面から描いた組織論である。

そのサットンの新作がこの本。実行力不全よりももう少しミクロな視点で、個人の行動と人間関係に注目してどのように対処するかを通じて、組織をどのように運営していけばよいかを語っている。

たとえば、こんなひとがでてくる。

・人の神経を逆なでするひと
・いるだけでまわりにダメージを与えるひと
・自分より弱い相手をいじめる
・ときには取引先にも被害をおよぼす

誰もが、自分のことも含めて、心当たりがあることばかりではないかと思う。その意味で、平社員は自身の行動マニュアルとして読むことができ、管理職は組織運営マニュアルとして読める本である。

組織行動論には、ステファン・ロビンスの

4478430144 ステファン・ロビンス(高木晴夫、永井 裕久、福沢 英弘、横田 絵理、渡辺 直登訳)「組織行動のマネジメント―入門から実践へ」、ダイヤモンド社(1997)

という名著がある。この本はマクロアプローチもミクロアプローチの両方について解説しているし、実務家にも研究者やコンサルタントにも支持されている本だ。

サットンの本はもちろん、単独で読んでも役立つが、余裕があればステファン・ロビンスの本を読んでみて、ミクロアプローチのヒントとしてサットンの本を読んでみると一段とサットンの本の価値が上がるように思う。

目次
はじめに
第1章 どんなやつをクソッタレと呼ぶか?
第2章 被害に苦しむ人々
第3章 クソッタレ撲滅ルールを導入するには
第4章 あなたの中にもクソッタレはいる
第5章 イヤな奴だらけの職場をサバイバルするには
第6章 クソッタレ成功者たちの教訓
第7章 生き方としてのクソッタレ撲滅ルール
親愛なる読者のみなさんへ
訳者あとがき

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