「打たれ強さスイッチ」を入れる!
岡本正善「打たれ強さの法則―心のスイッチを入れる実践トレーニンク」、青春出版社(2008)
お薦め度:★★★1/2
著者の岡本正善氏はプロゴルファー、プロ野球選手などの能力を引き出しているメンタルトレーナー。原理は自分の弱さを認めることによって、本当の強さを見つけることにある。応用範囲は広く、ビジネスの中でも
・肝心なところで力を出したい
・目標をもって仕事をしたい
・上司や部下との人間関係をよくしたい
といった応用範囲について述べられている。この弱い自分を否定しないという考え方はトレーニングに対して強い動機づけになるだろう。
この本は、以前出版された
「逆境を生き抜く「打たれ強さ」の秘密―タフな心をつくるメンタル・トレーニング」、青春出版(2000)
のトレーニングを強化したような内容になっている。本書の出版の影響か、あるは、何かを耐えなくてはならない世の中だということなのか、8年前のこの本が今、たいへん、売れているそうだ。ちなみに、この記事を書いた時点で、アマゾンでは、450位だった。
さて、本書で紹介されているトレーニングはシンプルである。ベーシックとアドバンスに分かれ、ベーシック編では
・強くなる呼吸法(メンタルリズムを作る)
・思ったことを次々に実現するイメージ力
の2つのテーマでいくつものトレーニング法が紹介されており、また、ツールも紹介されている。また、アドバンス編では
・動じない心をつくる自分のリズム
・よろ自分らしく生きる目標の作り方
の2つのテーマで、同じくトレーニングとツールが紹介されている。トレーニングはシンプルであり、日常的に取り組むことができるだろう。たとえば、イメージ力を鍛えるトレーニングで、五感を鍛えるトレーニングでは、「いちばん敏感な感覚」を考えさせる、「風呂で一つ一つの感覚をトレーニングする」などだ。
さらに、この本の特徴は「スイッチ」というメタファを使って、打たれづよいスイッチを入れるという方法を推奨している。これが一番のみそ。つまり、トレーニングで潜在能力を開発し、スイッチメタファでその潜在能力を引き出す。こんなロジックだ。
個人的な感覚だが、スイッチメタファは打たれ強さということに対して、非常に強力な方法ではないかと思う。ぜひ、本を読み、気にいったら試してみてほしい。
目次
序章「打たれ強さ」のスイッチを入れる!
ベーシック編1 強くなる呼吸法
ベーシック編2 思ったことが次々に実現するイメージ力
アドバンス編1 動じない心をつくる自分のリズム
アドバンス編2 より自分らしく生きる目標のつくり方
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