日本型組織をコーチングで動かす
本間 正人「グループ・コーチング入門」、日本経済新聞社(2007)
お奨め度:★★★★
コーチングを組織文化として定着させることを前提に、そのためのコーチング手法としてのグループコーチングを解説した一冊。
コーチングの有効性は徐々に認識されるようになってきたが、あくまでも個人に対する働きかけであり、経営に対しては、個人を介して効果があるというところに留まっている。その中にはエグゼクティブコーチングという、より、経営に強い影響を持つ人に対する手法もあるが、本質的にこの構図が変わっているわけではない。
これが、コーチングに関心を持ちながら、今一歩、取り組みをためらる理由になっている。
本間さんがいうように、コーチングが組織文化として定着すれば、経営に対して直接的な効果がある。もっと、本質的には、個々に対するコーチングよりも、グループに対するコーチングの方が日本型の経営には適しているのではないかと思われる。
この手法は、特にプロジェクトマネジャーがプロジェクトチームを指導していく方法として適しているように思う。この本は、グループコーチングを大変わかりやすく、ポイントを指摘しながら書かれている。また、最後にわかりよいケーススタディが示されており、読めばある程度のことはできると思う。
プロジェクトマネジャーの方は必読の一冊だ。
目次
[I] グループ・コーチングの基本
[II] グループコーチングの具体的な進め方
[III] 傾聴・観察・承認のスキル
[IV] 質問のスキル
[V] ケーススタディ
あとがき
コメント