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2007年7月16日 (月)

アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント

4534042507 岩田治幸「アメリカ国防総省直伝 プロジェクト・マネジメント実戦教練ブック」、日本実業出版社(2007)

お奨め度:★★★★1/2

タイトルのとおり、米国国防省で使われ、自衛隊にも持ち込まれているプロジェクトマネジメントについて、概要と、重要なコンピテンシー(手法、ツール)をまとめた一冊。

日本でもそうだが、プロジェクトマネジメントをプロトコルとして決めているのは、商務・経済・産業といった分野と軍事、および、宇宙が圧倒的に多い。英国だと、PRINCE2は商務省の策定だし、日本ではいえばP2Mが経済産業省の策定である。

米国ではPMBOKがメジャーであるためか、あまり、国務関係のプロトコールになっているプロジェクトマネジメントは表にでてこないが、著者の経験からするとNASAのプロジェクトマネジメントはすごく進んでいる。おそらく、国防省も相当進んでいるものと思われるが、この本を読んでみると、その一端を垣間見ることができる。

特に、戦略目標からプロジェクトに落とし込む部分というのは、PMBOKやPRINCE2では見られない実践的な手法があることがわかる(P2Mはこの部分にチャレンジしているが、残念がらなこんなに精錬されていない)。

その意味で、日本のビジネスの中でのプロジェクトマネジメントとして実践的かどうかは別にして、プロジェクトの上流側をしっかりと把握しておきたい人にはお奨めしたい一冊である。

もちろん、多くの部分はPMKOBに既に取り込まれているので、プロジェクトマネジメント本としての書くべきことは書いてあるし、また、解説方法が難しいことを妙な単純化をせずに、図表をうまく使ってきちんと説明しているもの好感が持てる。これも米国流ということだろう。

ある出版社の人が今年から来年にかけて、第2次のプロジェクトマネジメント本ブームになるといっていたが、もし、そうなったとしても生き残れる一冊だと思う。

目次

第1章 プロジェクト・マネジメントとは何か
第2章 何をどこまでつくるのかを決める(統合能力調整開発システム)
第3章 方向性を誤らないよう行動方針を分析する
第4章 仕事を柔軟に分担する(WBSの作成)
第5章 コストの見積もり方
第6章 スケジュール管理の仕方
第7章 EVMを活用してできるだけ安く仕上げる
第8章 リスクマネジメントの仕方
第9章 使う人の身になって考える(信頼度・整備性の設計、品質管理)
第10章 ジャストインタイムで提供する
第11章 スパイラル開発手法でより良いものをより早くより安くつくる

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